2020 Fiscal Year Research-status Report
Moments of the Enlightenment and Modernity
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20K00096
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
長尾 伸一 名古屋大学, 経済学研究科, 名誉教授 (30207980)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 啓蒙 / 近代思想 / 科学史 / ニュートン主義 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度では以下の点を解明した。 ①懐疑主義の方式と複数世界論による啓蒙の知的世界の展開と、日常世界の自律化 懐疑主義の方式:懐疑主義と複数世界論は、古代のギリシア、ローマおよびインドや中国等、古代ユーラシア世界に共通する哲学的遺産である。知覚や思考などの人間の認知能力を認識論的に批判する懐疑主義は、古代ギリシア哲学の一つの潮流だが、ディオゲネスによってその起源がインドにあるとされているように、インド古代思想にも同様な思考様式がある。中国の古代においても、老荘思想など同様な思考法が見られる。R.ポプキンの先駆的な研究が示したように、西洋ではそれは16世紀に復活し、知の相対論と、価値の多様性を認める広大な視野を支えた。懐疑主義の方式はモンテーニュ、デカルトからカントなど近代哲学の淵源となり、また17世紀科学史の研究が解明したように、真理性を確実性、蓋然性、可能性などと階層的に理解する仕方をもたらし、科学の方法的基礎を形作る役割を担った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型肺炎にかかわって出張が困難となっているので、その点については次年度以後に行うこととし、大学図書館、オンラインで可能な研究に集中した。
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Strategy for Future Research Activity |
可能となった時期に海外渡航を含む研究出張を行うが、不可能な場合は大学図書館、オンラインで可能な研究に集中して研究を継続する。
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Causes of Carryover |
予定していた海外渡航が不可能となり、国内調査も困難であったたため、渡航費等は次年度以後に使用するとした。
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