2021 Fiscal Year Research-status Report
A Critical Insight into the Shift of Japan's Narrative Paradigm
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20K00115
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
奥田 博子 関東学院大学, 人間共生学部, 教授 (10343063)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 記憶 / 東日本大震災 / メディア・フレーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、東日本大震災の被災三県のうち福島県と宮城県の県庁所在地の図書館において、各々の図書館が作成・展示していた東日本大震災からの10年を振り返る写真・図書資料を通して被災地の<いま>から<これまで>と<これから>を反芻しながら、調査研究を実施することができた。 昨年12月末、福島県立図書館において県紙『福島民報』『福島民友』のデータベースを使用したキーワード検索や記事検索及び2011年から2021年の10年間にわたる3月10日から31日を中心に東日本大震災追悼式をめぐる新聞記事の収集を行った。今年3月半ば、東北新幹線脱線事故を引き起こした震度6強の地震とつづく余震を現地で体験しながら、仙台市民図書館において県紙『河北新報』のデータベースを使用したキーワード検索や記事検索及び2011年から2021年の10年間にわたる3月10日から31日を中心に東日本大震災追悼式をめぐる新聞記事の収集を行った。 本研究の初年度に全国紙四紙『朝日新聞』『日本経済新聞』『毎日新聞』『讀賣新聞』に『東京新聞』を加えた各新聞データベースを用いたキーワード検索や記事検索を行っていたため、上述の地方紙三紙の新聞報道と読み比べることができた。また、「震災遺構」をめぐる論争や「震災遺構」ではなく「震災遺産」という捉え方が、「風化」を懸念する声や「記憶」を「記録」にしようとする試みのなかに、浮かび上がってくる過程を考察することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の初年度に新型コロナウイルス感染拡大によって実施できなかった福島県立図書館での地方紙の記事検索や新聞記事の収集を、昨年12月末、ようやく行うことができた。加えて、今年3月半ば、天候や施設の開館時間等を考慮して、当初計画していた岩手県立図書館及び盛岡市立図書館から宮城県仙台市民図書館に変更して、地方紙の記事検索や新聞記事の収集を行った。 調査研究を実施できなかった初年度に全国紙四紙『朝日新聞』『日本経済新聞』『毎日新聞』『讀賣新聞』に『東京新聞』を加えた各新聞データベースのキーワード検索や東日本大震災が起きた2011年3月11日を中心に収集した関連記事の読解分析を始めていたことによって、地方紙三紙『福島民報』『福島民友』『河北新報』の新聞データベースを用いたキーワード検索や記事検索を通して各紙の特徴や地域関連情報への理解を深めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の今後の推進方策としては、次年度は、本年度の計画変更を受けて延期した岩手県立図書館及び盛岡市立図書館を拠点にした県紙『岩手日報』の新聞記事や郷土史料の収集に加え、これまで福島市と仙台市で収集した文献資料を読み進めて補足が必要と考える地方紙の新聞記事や郷土史料の収集を実施する。 また、研究発表を受理されていた今年6月28日から7月1日にかけて中国江蘇大学で開催される予定であった国際議論研究会第10回学術会議が、中国国内の新型コロナウイルス事情によって、翌年に延期されたことは残念であるが、本研究の成果発表の一端として、今年5月19日から5月21日にかけてドイツケルン大学で開催される学術会議“Hiroshima-Nagasaki-Articulations of the Nuclear: The Case of Japan”において研究発表を行う予定である。 さらに、研究発表を通して得た国内外の研究者の意見や指摘を踏まえて、本研究の成果を研究論文に発展させてゆくことを目指す。
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Causes of Carryover |
本年度は、本研究の初年度、計画当初予期していなかった新型コロナウイルス感染拡大のために延期した調査研究を実施するうえで、当初計画していた今年度の調査研究に変更を加えて文献資料収集のための調査研究を行うことができた。しかしながら、コロナ禍における開館日及び開館時間の制約などで調査研究場所の変更だけでなく、調査期間の短縮を余儀なくされた。そのため、次年度以降も福島県と宮城県における調査研究を継続する必要がある。コロナ禍におけるさまざまな事情や条件を考慮しながら、引き続き最善を尽くして計画にある被災三県の地方紙の新聞記事や郷土史料の収集を行う調査研究の実施とその成果発表に取り組んでゆく。
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Research Products
(2 results)
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[Book] Diplomatic and Mediated Arguments in the North Korea Crisis: Engaging the Hermit Kingdom2021
Author(s)
Thomas A. Hollihan, Patricia Riley, Jeeyun S. Baik, Nathaniel M. Curran, Hyun Tae C. Kim, Hiroko Okuda, Takeshi Suzuki, Shusuke Murai, Ye Lu, Ruiming Zhou, Gail F. Thomas, Jeff Kline, Jenna Gibson
Total Pages
314 pp.
Publisher
Palgrave Macmillan
ISBN
978-3-030-70166-6
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[Book] Local Theories of Argument2021
Author(s)
Dale Hample, Ronald W. Greene, G. Thomas Goodnight, David B. Hingstman, Catherine H. Palczewski, Alexandria Chase, Emma F. Bloomfield, Sara C. VanderHaagen, Hiroko Okuda, et al.
Total Pages
538 pp.
Publisher
Routledge
ISBN
978-0-367-71035-4