2023 Fiscal Year Research-status Report
Ancient Greek and Judaeo-Christian Traditions in Hobbes
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20K00117
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Research Institution | Momoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
梅田 百合香 桃山学院大学, 経済学部, 教授 (20424947)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ホッブズ / トゥキュディデス / 政治と宗教 / 戦争 / 内戦 / 歴史と哲学 / 倫理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、2023年8月まで、所属機関の海外特別研修により、イギリスをはじめとした海外で、ホッブズ研究に関わる原資料および研究史料・資料の収集と調査研究を合わせて行った。各図書館において、数種類ある『リヴァイアサン』初版のwater markの検討を実施した。同時にこの間、ホッブズによる『戦史』の翻訳に関する先行研究、およびトゥキュディデスに関する先行研究の検討を進め、ホッブズのトゥキュディデス『戦史』の英訳のテクスト・クリティークに集中的に取り組んだ。その研究成果として、学術論文「ホッブズとトゥキュディデスの倫理学―人間本性と戦争についてのヒストリアー」を執筆し、本稿を、自身が共同編著者を務める論文集、苅部直・瀧井一博・梅田百合香編著『宗教・抗争・政治―主権国家の始原と現在』(千倉書房)の第6章に収め、2023年12月に出版した。また、ホッブズの書簡の翻訳も進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題では、ホッブズの古代ギリシア認識を探るという研究課題について、ホッブズとトゥキュディデス(歴史)とホッブズとガッサンディ(哲学)という二つの柱を掲げている。本年度は、前者の、ホッブズとトゥキュディデスの思想的関係についての研究成果を収める、苅部直・瀧井一博・梅田百合香編著『宗教・抗争・政治―主権国家の始原と現在』(千倉書房)を出版し発表することができた。したがって、本研究は順調に進呈しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の2つの柱である、ホッブズとトゥキュディデス(歴史)とホッブズとガッサンディ(哲学)という研究課題のうち、前者については出版し発表できたため、今後は、後者の研究課題に取り組み、フランス亡命時代の中期ホッブズのネオ・エピクロス主義と反アリストテレスの立場の考察を進めていく。
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Causes of Carryover |
次年度は本研究課題の最終年度にあたる。残された課題の研究を進めるため、主として図書費および研究調査費に使用する計画である。
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