2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K00122
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
永由 徳夫 群馬大学, 共同教育学部, 教授 (30557434)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 書論 / 書道史 / 書学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究「近世書論を基盤とする「日本書論史」の展開」は、江戸時代における「日本書道史」の中で、「書論」がいかにその基盤となり得たかを考究するものである。本研究の骨子として、「近世書論における中国書論の受容と展開」を課題として据えており、この課題を解明するために、「近世書論」の解題を執筆し、梗概をまとめる基礎的作業を行っている。 令和5年度は、巻菱湖『十体源流』に焦点を当て、「巻菱湖『十体源流』解題」(『群馬大学共同教育学部紀要 人文・社会科学編』第73巻)を執筆した。また、これと併行する形で、「藤堂龍山『学書辯』考―一家言を成したその学書法」(『日本教育大学協会全国書道教育部門 研究紀要』第29集)、巻菱湖『十体源流』(二)(『修美』第145号)、五十嵐篤美好『天朝墨談』(一)(『修美』第146号)、同(二)(『修美』第147号)等、近世の各書論について、概説した。継続的に梗概を発表することで、斯界に裨益するところがあったと考えている。 全国大学書道学会(跡見学園女子大学)、書学書道史学会(春日井市道風記念館)等の学会に参加し、有益な知見を得た他、主宰する書論書道史研究会では、田能村竹田『竹田荘師友画録』・市河米庵『米庵墨談』の講読を継続的に行った。 また、海外では、國立故宮博物院・同南院・中央研究院歴史語言研究所傅斯年図書館での観覧、国内では、東京国立博物館・五島美術館・徳川美術館・道風記念館・成田山書道美術館等での鑑賞の機会を通じ、本研究を遂行する上で、重要な資料収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和5年度は、前年度に引き続き、「近世書論における中国書論の受容と展開」を解明すべく、複数の解題を執筆した。また、前年度、全国大学書道学会(静岡大学)にて行った研究発表に基づき、論文を執筆している。 一方で、いまだ新型コロナウイルス感染症の影響下にあり、美術館・博物館における調査研究が計画通りに進められなかった点もある。 よって、日々の研究や学会での研究発表等については、一定の成果が挙げられたものの、実踏調査が予定通りには完遂できなかった状況に照らし、(3)とした。
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Strategy for Future Research Activity |
研究課題「近世書論を基盤とする「日本書論史」の展開」は、補助事業延長が承認されたことから、令和6年度も研究を継続する。これまでの研究を踏まえ、引き続き基礎的作業を行うとともに、その展望を明示できるよう論文の執筆を行いたい。 美術館・博物館等での実踏調査も、社会情勢に照らし、感染対策を万全に施しながら、着実に行っていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
いまだ新型コロナウイルス感染症の影響下にあり、十分に調査が行えなかったことによる。社会情勢が平常の段階に戻りつつあるので、研究旅費として使用する予定である。
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