2022 Fiscal Year Annual Research Report
A Comprehensive Study of Academies in France
Project/Area Number |
20K00126
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
栗田 秀法 名古屋大学, 人文学研究科, 教授 (10367675)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉田 敦子 中部大学, 人文学部, 教授 (00434580)
新居 洋子 大東文化大学, 文学部, 准教授 (10757280)
隠岐 さや香 名古屋大学, 経済学研究科, 教授 (60536879)
佐々木 真 駒澤大学, 文学部, 教授 (70265966)
中島 智章 工学院大学, 建築学部(公私立大学の部局等), 教授 (80348862)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | アカデミー・フランセーズ / 王立絵画彫刻アカデミー / 王立碑文文芸アカデミー / 王立科学アカデミー / 王立音楽アカデミー / 王立建築アカデミ― |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、フランスのアンシャン・レジームの6アカデミー(アカデミー・フランセーズ、王立絵画彫刻アカデミー、王立碑文文芸アカデミー、王立科学アカデミー、王立音楽アカデミー、王立建築アカデミ―)の横断的な考察を分担して進めた。分担は、国家とのかかわり、財政・予算、規約の比較、王立諸アカデミーと他の教育機関との比較、社会との関わり、他国・他地域との関係等で、順次研究会で発表、討議を行った。 その結果、宮内省系のアカデミーと建築局系のアカデミーの規約、予算の性格の相違、ならびに各アカデミーにおける後継者育成、また他の学術・教育組織における教育とアカデミーとの関連の調査が進み、碑文文芸アカデミー、科学アカデミー及びアカデミー・フランセーズ会員のデータベース作りを通じた会員の就任年齢、在任期間、他アカデミーとの兼務、教育、職業などについての比較が進んだ。さらに、複数のアカデミー会員を兼務している人物について調査からは、アカデミーとほかの機関、とりわけ王立コレージュ(コレージュ・ド・フランス)との関係が徐々に明らかになった。6アカデミーの中で学者の共同体としてのアカデミーとは大きく異なり、興行団体としての性格が強い音楽アカデミーに関しては、その分当時のフランスにおける「アカデミーなるもの」の定義、輪郭を探るための好材料といえることが確認できた。外国との関係においては、フランスの各アカデミーとヨーロッパ諸国・ロシアのアカデミー・諸学術団体との歴史的、人的繋がりおよび比較、また植民地となったアメリカ・アジアの各国におけるアカデミーの創設、さらに東アジアにおけるアカデミー概念の翻訳などについて調査を行い、世界史的な文脈におけるフランス・アカデミーの作用について検討が進んだ。全体として今後のフランス・アカデミーの総合的な考察のための礎を十分固めることができたと考えられる。
|
Research Products
(5 results)