2020 Fiscal Year Research-status Report
Re-Storying the World for Multispecies Survival
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20K00138
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
村井 まや子 神奈川大学, 外国語学部, 教授 (20347769)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | おとぎ話 / 動物 / 環境 / 芸術 / 物語 / 民話 / 比較文学 / 多種共生 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は以下の研究活動を行った。 1. 本研究課題をテーマとする英語による単著 Re-Storying the World for Multispecies Survival: Fairy-Tale Animals in Contemporary Art and Picturebook Illustrations (Wayne State University Pressと事前出版契約済)の原稿の執筆を進めた。2. 本研究課題に関する文献と映像資料を収集し、調査した。3. 2020年9月に、朝日カルチャーセンター新宿教室にて、「アートを揺さぶる動物たち」と題する講義をアーティストの鴻池朋子と共同で行った。4. 2020年11月に、イギリスのヘンリー・ムーア財団主催によるオンラインのシンポジウム “Women Who Run with the Wolves” に招聘され、おとぎ話の動物と現代アートの関係について講演を行い、イギリスのアーティスト、キュレーター、コンテンポラリーダンサーとの討論に参加した。5. おとぎ話の現代における多様なメディアのアダプテーションを論じた研究書Re-Orienting the Fairy Tale: Contemporary Fairy-Tale Adaptations across Cultures(Wayne State University Press、2020年8月刊行)を共編者として出版し、本書の内容を紹介する英語による動画を制作して、出版社のウェブサイト上で公開した。6. 本研究課題に関するテーマについて、国内外のアーティストや作家とオンラインで対話し、美術展やトークイベントの共同企画など、批評と創作の連携の可能性について議論した。7. 本研究課題に関する国内外のシンポジウム、研究会、講演会、展覧会に、オンラインで参加した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度はコロナウイルス感染拡大の影響で、本研究課題の一環として私がオーガナイザーとして実施する予定であった国際ワークショップ “Re-Storying the World for Multispecies Survival” が、次年度以降に延期となった。そのため今年度の経費の大部分が次年度以降に繰り越しとなったが、ワークショップの準備自体は今年度に海外の研究者とオンラインで進めており、ウイルスの感染が収束後、できるだけ早い時期に国内で開催することを目指している。また、今年度に発表を予定していたクロアチアでの国際口承文芸学会の大会も、次年度に延期となった。 このため、当初予定していた計画が変更とならざるを得ず、今年度の計画自体はやや遅れているが、この状況下でも可能な研究活動に集中して取り組むことができたため、4年間の研究期間全体としての進捗状況の遅れにはつながらないと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策は、以下を予定している。なお、コロナウイルス感染状況によっては、変更を余儀なくされる部分が生じる可能性がある。 1. 本研究課題をテーマとする単著 Re-Storying the World for Multispecies Survivalの執筆を進める。2.本研究課題に関する資料の収集と調査、および現地調査を行う。3. 本研究成果の一部を、Bloomsbury Academicから出版される研究書A Cultural History of Fairy Tales(2021年7月刊行予定)に所収されるチャプターとして刊行する。4. イギリスの学術誌Green Letters: Studies in Ecocriticismの、おとぎ話研究と環境批評の接点を探る特集号 “Enchanted Environments”(2021年9月刊行予定)のゲストエディターに招待されており、編集作業を行うとともに、本研究課題に関する単著の論文と序論を寄稿する。5. 2021年6月に開催される国際芸術祭Glasgow International 2021に鴻池朋子との共同制作による映像作品を出展し、イギリスと日本のアーティストとキュレーターが参加するシンポジウムに登壇する。前年度から繰り延べとなったワークショップを、今年度中に国内の会場で対面形式で開催する予定である。ワークショップ終了後は、成果をまとめた英語論文集の刊行(2022年度刊行予定)の準備を始める。 以上の研究活動を通して、多種共生社会の実現に向けたおとぎ話文化の創造的批評を、領域横断的かつ国際的に展開していく。
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Causes of Carryover |
今年度はコロナウイルス感染拡大の影響で、本研究課題の一環として私がオーガナイザーとして実施する予定であった国際ワークショップ “Re-Storying the World for Multispecies Survival” が、次年度以降に延期となった。そのため今年度の経費の大部分が次年度以降に繰り越しとなったが、ワークショップの準備自体は今年度に海外の研究者とオンラインで進めており、ウイルスの感染が収束後、できるだけ早い時期に国内で開催することを目指している。イギリス、オーストラリア、ハンガリー、エストニア、日本から研究者およびアーティストを招聘する費用と、ワークショップ開催に必要な諸費用が必要となる。
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