2022 Fiscal Year Research-status Report
Bath and Bathing in the Early Modern European Art
Project/Area Number |
20K00172
|
Research Institution | Kanazawa College of Art |
Principal Investigator |
保井 亜弓 金沢美術工芸大学, 美術工芸学部, 教授 (30275086)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 入浴図 / ディアナ / アクタイオン / カリスト / スザンナ / バトシェバ |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は勤務機関の海外出張が解禁となったので、これまで行うことのできなかった3年分の海外調査を行った。 第一回目の海外調査はドイツのベルリンを中心としたもので、特にベルリン国立美術図書館において文献収集を行った。また、カッセルにおいて、風呂博物館とされるものも視察したが、これは小規模であまり重要性は見られなかった。そしてベルリン国立版画館の元シニアキュレーターであったホルム・ベーバース氏と意見交換をした。 第二回目の海外調査は、アメリカ合衆国のダンバートン・オークス美術館に関連資料があるという情報から、短い期間ではあったがワシントンで行った。当美術館では、キュレーターのウィリアム・エリザベス氏から貴重なアドバイスを得た。 第三回目の海外調査は、イギリスのバースを主たる目的とした。バースという地名が英語のBathの由来でもあり、古代ローマ式の遺構が現存しているという点で世界遺産ともなっている。むろん実際に入浴することはできないものの、今日でも温泉が湧いているという点では本研究としては欠かせない調査場所であった。実際に見学してみると、思いのほか細部まで見学できるようになっており、貴重な視察となった。遺構は長年の間に手を加えられている、たとえば18世紀に彫像が加えらたりして改築もされているもの、もともと現地に温泉が湧いており、そこが神聖な泉とされていたところを、ローマ人が侵入してきたとき、自身の神ミネルヴァとして崇めたのだった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度海外出張に出られたことで、文献収集のみならず、実地調査も行えたことが大きい理由である、特にバースで古代ローマの共同浴場の遺構を視察できたことは非常に有用であった。
|
Strategy for Future Research Activity |
来年度は最終年度であるから、研究をまとめるとともに、できればもう一回の海外調査を行いたい。
|
Causes of Carryover |
昨年は新型コロナの状況が変化する中での出張であり、制限があったことが大きなよういんである。またそのため今年度も海外調査を行いたいと考えている。未だ世界情勢や、円安の傾向により海外調査は以前よりも高額になっているため、繰越金が必要である。
|
Research Products
(1 results)