2020 Fiscal Year Research-status Report
浮世絵から照射する日本近代美術~日本近代美術再考~
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20K00173
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
菅原 真弓 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 教授 (10449556)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神内 有理 京都芸術大学, 芸術学部, 非常勤講師 (60751906)
高浜 快斗 山形県立米沢女子短期大学, 社会情報学科, 専任講師 (20869523)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 浮世絵版画 / 浮世絵研究 / テキストマイニング / 受容史 |
Outline of Annual Research Achievements |
残念ながら、研究初年度にあたる2020年度は、新型コロナウイルス感染拡大による影響(緊急事態宣言発出等)を受けざるを得なかった。特に残念なのは、作品調査や研究分担者との研究打ち合わせが殆どできなかったこと、加えて、作品や資料調査に出向くことが殆ど出来なかったことである。 研究分担者である神内とは、2020年8月、「もう一つの日本美術史ー近現代版画の名作2020」展(和歌山県立近代美術館、2020年7月~8月)の展覧会調査を行い、加えて調査後に今後の方向性のすり合わせや、作品、資料調査先についての話し合いを持った(於・和歌山市内)。しかし本来、年次2~3回程度実施することとしていた大阪および広島での共同研究会(打ち合わせ会)は持つことができなかったのが悔やまれる。もう一人の研究分担者高浜とは、主にオンライン通話やメイルにて打ち合わせを持った。年度途中で高浜が所属機関変更となったこともあり、対面しての打ち合わせを持てなかったことがこちらも悔やまれる。 上に記した事情により、初年度は出来る限りのことを、と考え、研究文献の整備や研究環境整備を主に行なった一年となった。しかし一方、「浮世絵」「日本美術史」「版画」といった本研究のキーワードに基づいた基礎文献を収集し、これを検討することができた一年とも言うことができようか。なお、本研究に関連する研究実績としては、「宇多川文海と『南海鉄道旅客案内』」(『帝塚山派文学学会紀要』第5巻、95~114頁)と「「浪花百景」と摂津・住吉」(『江戸時代の観光案内で見る 摂津の国・住吉』大阪市住吉区、8~15頁)のみである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
残念ながら新型コロナウイルス感染拡大というのが最も大きな理由である。文献整備や研究環境の整備は行なってきたが、肝心の資料や作品調査などに出向くこと、共同研究会を開催すること、が殆どできなかったのは大変残念である。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の反省を踏まえ、昨年度ある程度整備した文献資料を用いてまずは「文献のみで出来ること」を行なっていく。たとえば浮世絵研究の進展やその特徴を捉えること、また展覧会カタログや画集を基にある程度検討を進めること、といった事柄である。伝染病の感染状況にもよるが、年度後半には、広島と大阪での共同研究会を実施したいと考えている。不可能ならば、オンライン研究会を行うなど開催形態の工夫を行いたい。 なお浮世絵研究の経緯やその特徴に関するパートに関しては、今年度ある程度まとめて論文化していくこととする。 また、テキストマイニングのパートに関しては、昨年度収集した基礎文献を基に、研究分担者高浜との話し合いのもと、研究を進める。
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Causes of Carryover |
研究成果等の報告でも述べたとおり、資料、作品調査のための旅費を殆ど使えなかったことが最も大きな要因である。それは言うまでもなく、新型コロナウイルス感染拡大によるものである。今年度もまた、感染拡大の様相を呈しており、旅費の支出(=資料調査)が可能かどうかはわからないが、研究計画の項でも述べたとおり、年度の前半は、文献のみで行える作業(検討、比較、資料作成)などを行い、後半にまとめて(できるならば)資料調査に赴くことにしたい。
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Research Products
(8 results)