2022 Fiscal Year Research-status Report
障害の「美学」における身体観の変容とその社会的効果に関する研究
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20K00218
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Research Institution | Higashi Nippon International University |
Principal Investigator |
田中 みわ子 東日本国際大学, 健康福祉学部, 教授 (10581093)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 障害学 / 身体 / 障害の美学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、障害者の「美学」がもたらす身体観の変容およびその社会的効果について調査研究を行うものである。海外におけるディスアビリティ・アートをはじめとする障害者アートの潮流を事例とすることで、身体観の文化的差異を明らかにしつつ、その社会的影響および効果を明らかにすることを目的とする実施計画であったが、新型コロナウィルス感染症の状況が改善されない状況下により、当初の研究実施計画を一部変更し、本年度も文献調査を主として研究を行うこととなった。また、とりわけ海外の状況調査に困難が生じていたことから、日本国内における障害者アートの実践も含めて幅広く探究を試みた。 現在の日本における障害者アートの現状については、東京パラリンピックなどにも典型的にみられたように、障害の有無のみならず様々な差異と多様性を謳う試みが増している。そうした障害のある身体および差異と多様性をめぐる考察については、吉田ゆか子(東京外国語大学)との共著(2022)「バリ島のコメディ劇における「障害」のある身体を巡る遊戯」山口真美・河野哲也・床呂郁哉編著『コロナ時代の身体コミュニケーション』(東京:勁草書房、pp.143-174)において言及しており、本研究にも関連する実績である。 最終年度にあたる本年度は、障害のある経験から生まれる「美学」が新たな表現形式を生み、それが身体観の変容や社会的効果をもたらしていることを実証しようと試みており、今後、研究成果としてまとめていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症の影響により海外の実地調査が実施できていないことが影響すると共に、一部研究計画を変更したことによる文献やウェブサイトを利用した調査にも困難が生じたことが主な理由である。大学業務等により研究時間を捻出できないという課題も生じたが、改善に努めている。上記の状況から、1年間の研究期間の延長を申請するに至っている。
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Strategy for Future Research Activity |
1年間の研究期間の延長が認められたことにより、本研究の遅れを取り戻す予定である。実地調査についていは実施可能な時期について検討中であるが、実施の有無にかかわらずに成果をまとめていく。徐々に国内のおいて対面形式での意見交換が行えるようになっており(学会や各団体への訪問など)、速やかに情報の収集や現状の把握に努める。
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Causes of Carryover |
当初の予定では、海外実地調査およびその関係者謝金を計上していたが、感染状況等の理由により調査を未実施であることから次年度使用額が生じた。また昨年度時点においても状況が不透明であることが予め見込まれていたために、本年度は主に資料等の物品購入に充てることとし、研究期間の延長を申請することで次年度に繰越をした次第である。
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