2022 Fiscal Year Research-status Report
大学主導型で、学校美術教育にポップカルチャー等を取り入れる実践を推進する研究
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20K00223
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Research Institution | Osaka Seikei University |
Principal Investigator |
石井 理之 大阪成蹊大学, 芸術学部, 教授 (60824810)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 隆文 大阪成蹊大学, 芸術学部, 講師 (60799980)
津田 やよい 大阪成蹊大学, 芸術学部, 准教授 (80557348)
唐仁原 希 大阪成蹊大学, 芸術学部, 特別専任教員 (80824440)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 美術教育 / 教材開発 / ポップカルチャー |
Outline of Annual Research Achievements |
本学芸術学部において「自画像の多様な表現」をテーマに学生が作品を制作し、その制作過程、及び成果物である作品について検討した。 学生に対し。質問紙による調査を2回行い質的・量的両方のデータを収集した。 美術科における表現活動は、その活動の目的や特性から、絵や彫刻などのように、感じ取ったことや考えたことなどを基に自由に工夫して表現する活動と、デザインや工芸などのように、伝えることや、使うことなどの目的や機能などを考え、表現方法を工夫して表現する活動の2本の柱から成り立っている。本研究では、このうち感じ取ったことや考えたことなどを基に自由に工夫して表現する活動について取り上げた。これらの活動では、表したい主題を生み出し表現の構想を練るなどの発想や構想に関する資質・能力を育成することが求められる。主題を生み出すためには、「自分は何を表したいのか、何をつくりたいのかどういう思いで表現しようとしているのか」1)という思いが重要であり、発想や構想の基盤になるものである。 当該研究会は、絵画の表現の中に漫画的表現を取り入れることで自画像表現の可能性を検討したものであった。高等学校、中学校共に学習指導要領に位置付けられ、その指導に関する事項が明記されているにもかかわらず十分に取り扱われているとは言い難い漫画に関する教材を、中・高教員に提唱したことは大いに意義があったと考える。 そこで、本研究では、漫画的表現のみを取り上げるのではなく漫画を含めたポップカルチャーという枠組みを設定し、生徒が自分の興味・関心に添い各自に合った表現方法を選択することで、更なる多様な表現が可能であり、それら自らが選択した要素を取り入れることで、美術教育の需要者としての中・高校生の興味・ 関心を刺激し多様な表現の可能性につながるという仮定のもとに研究をすすめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
紙面によるアンケート調査を2度実施したことにより、十分なデータを蓄積することができた。 また研究の主題に則った参考作品を学生に依頼したことにより作品の質を向上することができた。 授業時に制作した作品のうち課題を十分に反映した作品を選抜した。これらの作品と参考作品とあわせて、中間成果の確認のため、2022年10月に大阪成蹊大学スペースBギャラリーにおいて作品を展示した。 この展示のフィードバックを踏まえて研究をすすめた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は9月に外部のギャラリーで、これまで制作した作品を公開する。加えて助言者かrの意見を受け、現在まで蓄積してきたデータ及び作品をもとに分析をすることで、今後の美術科における教材として活用できるようにしたい。そのために共同研究者と議論を深め研究をすすめていきたい。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により研究会の実施が延期となったため。
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