2021 Fiscal Year Research-status Report
Preserving the traditional technique of boiling shell for use in the ancient craft of Japanese lacquer.
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20K00229
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
小川 太郎 富山大学, 学術研究部芸術文化学系, 講師 (50389962)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 漆芸 / 螺鈿 / 工芸材料 / 煮貝技法 / 夜光貝 |
Outline of Annual Research Achievements |
滅びゆく工芸材料として螺鈿材料、中でも夜光貝を用いた煮貝技法に着目をし、流通していないが要領さえ踏まえれば誰でも煮貝技法ができるように、煮貝技法の制作方法について纏めたものをノートとして紀要に発表した。 本年度は昨年度末に煮た夜光貝を叩き、螺鈿材料となる薄外を製作した。 夜光貝を叩きながら剥いで行く過程を、複数のハンマー(異なる種類の)、複数の人数で叩くことによって、どのように叩けば、またどのように教えてゆけば情報が伝わりやすいかを検証していった。この取り組みのうち、夜光貝の作り方そのものを文章にまとめ富山大学芸術文化学部の紀要15号に「夜光貝を用いた煮貝技法による薄貝づくり : 漆芸材料確保としての試み」として掲載した。 また、暴露試験を行いたいと思い京都の産業試験所と連絡を取り、試験手板を制作に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
国内、外への調査旅行がコロナウイルスの流行によってタイミングを逸しており、取材や調査が止まってしまっている。 当初計画をひっくり返すように、煮貝を行い今この状況で出来ることから進めている。 また暴露実験用の素材、白化することが明確な煮貝材料の確保が上手くいかず(入手した材料が煮貝技法で得た材料でないことが疑われるものであったため)、暴露実験で求めたい疑問を少し変更しながら進めていかなければならない状況が発生した。
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Strategy for Future Research Activity |
国内での調査を開始し、材料の流通状況を纏め国外での調査を行った後に文章で発表を行う準備を行う。 未だ国外での調査に目処が立っていないので、状況が整い次第こちらも実施して行く。 暴露実験の方向性を決め、実験用手板に貝を貼り試験を依頼する。
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Causes of Carryover |
煮貝技法として夜光貝を煮た後、薄がいのシートを作成する作業にあたる人件費を予定していたが、貴重な体験をしたいと無償での協力を打診してくれたので、この経費を予算が膨らんだ暴露実験に充てるつもりであったが、暴露実験用の材料がうまく揃わず実験ができずじまいにいるため。 また調査に出かけることができなかったため、旅費として計上した金額が執行できていない。 今年度はその分、起用をまとめて発表したので経費がかからなかった。
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Research Products
(1 results)