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2020 Fiscal Year Research-status Report

オールオーヴァー絵画の萌芽期における研究-ジャクソン・ポロック「壁画」を中心に-

Research Project

Project/Area Number 20K00230
Research InstitutionKobe University

Principal Investigator

岸本 吉弘  神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (90267344)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywordsアメリカ抽象表現主義 / 抽象絵画 / オールオーヴァー絵画 / ジャクソン・ポロック / 再現制作
Outline of Annual Research Achievements

アメリカ抽象表現主義の旗手であるジャクソン・ポロック、本研究は3年間程度に渡り実施し、彼の円熟期のオールオーヴァー絵画以前の萌芽期・形成期の作品を対象とする。なかでも1940年前半の代表作品「壁画」に着眼し、通史的・美学的な解釈に留まらず、技法・材料的な視点による分析を加え。その上で完成度の高い「再現制作」(最終年度)を試みることで制作プロセスを再現(追体験)することが大きな特徴である。そして実制作者ならではの視点を交えて更に作品性を洞察・解析するものである。これらはアメリカ抽象表現主義において核を成すオールオーヴァー表現の内実により一層肉迫し、オールオーヴァー絵画の成立過程を解明することに繋がるものである。
本年度は主に次年度以降の現地調査を前提とした準備研究としての取り組みを実施した。具体的にはポロック「壁画」(1943~44)と同時期(1940年代)の他のポロック作品(同時代の他の抽象表現主義の作家たちの作品も含む)を対象とした文献調査などを国内で実施した。結果としてオールオーヴァー絵画以前のヨーロッパの美術動向(印象主義・キュビズム・フォービズム・シュールレアリズム)との関連も知ることにも繋がり、なかでもパブロ・ピカソ作品との影響関係についても確認を深めることができた。その上でオールオーヴァー絵画の萌芽期・形成期の有り様(なかでもその段階的な変貌)を包括的に俯瞰できることになった。また、1940年代後半以降に展開される抽象表現主義者たちの「自主的集団活動」と本研究との関連性など非常に興味深い知見も獲得できた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

現地調査による作品閲覧・資料収集及び帰国後の分析が初年度の主要な研究予定であったが、しかしながら初年度(令和2年度)は世界的なコロナ蔓延の影響を受け、予定していた現地調査(アメリカ・ニューヨーク)が困難となり見送らざるを得なかった。このことが当該研究の初年度における若干の遅延にも繋がってきた訳であるが、その遅れを巻き返すべく、令和3年度中(下半期)にはその現地調査を実現化する予定である。そうした状況下にありながらも(【研究実績の概要】にも記載したが)本年度は関連する準備研究として、ポロック「壁画」(1943~44)と同時期(1940年代)の他のポロック作品(同時代の他の抽象表現主義の作家たちの作品も含む)を対象とした文献調査などを国内で実施し、結果としてオールオーヴァー絵画以前の萌芽期・形成期の有り様(なかでもその段階的な変貌)を具体的に俯瞰できることにも繋がった。

Strategy for Future Research Activity

本研究は主に2度のアメリカ現地における調査(資料収集・分析)と、その帰国後の再現制作実施で構成される。最終年度は再現制作を踏まえた論文執筆(報告等)をもって総括とする。なかでも次年度においては、初年度の予備研究で得た知見を効果的に活かすべく、1度目のアメリカ現地調査によるオールオーヴァー絵画萌芽期の同時期作品・類似作品等の閲覧・資料収集及び分析を行う。主にニューヨーク、ワシントンDC等のアメリカ東海岸付近の主要美術館(ニューヨーク近代美術館、メトロポリタン美術館、グッケンハイム美術館など)や関係諸施設、資料図書館など対象とする。帰国後には収集したポロック関連資料・書籍・カタログ等の分析を行う。(渡航は昨今の状況を鑑み、年度後半に予定し、それまでの間は効果的な現地調査の為の下準備や予備研究に専念する。)

Causes of Carryover

本研究は、主に旅費として支出(2度のアメリカ現地における調査)と、その帰国後の再現制作実施(物品費・謝金)で構成される。最終年度は再現制作を踏まえた論文執筆(その他)をもって総括とする。なかでも直接経費の使用(執行予定)の一定以上は現地調査(旅費)となり、またその後の再現制作(物品費)でもある。初年度は世界的なコロナ蔓延の影響を受け、予定していた現地調査(アメリカ)が困難となり見送らざるを得なかった(執行額無し)。次年度以降より旅費・物品費を中心に執行予定である。

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Published: 2021-12-27  

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