2023 Fiscal Year Annual Research Report
「アートを介した社会課題の理解」のための探求型鑑賞モデルの開発と実践研究
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20K00232
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
小川 真司 (才士真司) 岡山大学, 教育学域, 特任准教授 (40774849)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤木 里香子 岡山大学, 教育学研究科, 教授 (40211693)
田村 朋久 大手前大学, 総合文化学部, 非常勤講師 (00836637)
伊藤 駿 岡山大学, 教育学研究科, 特任助教 (30839022)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 国吉型・対話探究モデル / 清志初男 / 田中憲一 / 直島 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は「国吉型・対話探究モデル」(以下、本モデル)の研究とその成果及び、顕彰活動などの公益活用が、現代の社会課題を「思考させる」知財となることをあきらかにすることを目的に活動した。具体的には「考えること」を促すツールとしての芸術作品を、教育現場などに訴求する理論構築と、この利活用を促すコンテンツの開発を行うため、アート鑑賞体験を市民の多元的共生社会実現のための課題理解を促す機会とする展覧会「国吉康雄展 安眠を妨げる夢」(10/24~12/24)を実施した。この展覧会は茨城県近代美術館、(公財)福武財団、ヤマト運輸(株)が本モデルを評価し、この開催を産官学連携事業として決定し、企画と監修を国吉康雄研究講座(以下、国吉講座)が務めた。 会期中の入場者は7500名で、本モデルを使用したツアーを10回実施。国吉講座主催の講演会を4回開催した。本モデルによる構成と解説を前提とした展覧会場で行ったヒアリング(130名)では、「非常に興味深かった」「作品鑑賞後に解説を読み、また作品をみると見方が変わった」という意見が全体の80%となり、展示に必要な情報として、「作家が生きた時代の社会背景」とする回答が67%となるなど、知的探求に意欲を示す結果が得られた。 このほか、個別の作家研究も継続し、岡山大学に設置されている5D Lab. Media Galleryで、清志初男作品で本モデルを実施した。また、ニューヨーク市立大学の山村みどり准教授(ニューヨーク近代美術館講師兼務)を招聘し、合同で直島での対面での検証を、岡山大学の学生11学部53名を対象に行った(2024/1/27)。 これらの結果を受け、第46回美術科教育学会弘前大会で研究代表者の才士が行った発表では、複数の大学から開発の助言や連携の模索の提言を受けた。また、本モデルを中心とした国吉講座の活動は、ニューヨーク近代美術館にファイリングされ、メトロポリタン美術館や在ニューヨークの日系文化機関から評価された。
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Research Products
(4 results)