2023 Fiscal Year Annual Research Report
地方小規模映画館の顧客価値創造メカニズムに関する日英比較研究
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20K00243
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Research Institution | Ritsumeikan Asia Pacific University |
Principal Investigator |
金井 秀介 立命館アジア太平洋大学, 教育開発・学修支援センター, 准教授 (90635492)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 地方独立系小規模映画館 / 価値創造 / 質的研究 / フィールドスタディ / 小規模ビジネス |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度総論:最重要実績は、中心事例であるシネマ5(大分市)において映画館経営者側と顧客双方へのインタビューとサーベイを中心とした一連の調査研究の分析考察結果として、本研究の中心論点である地方独立系小規模映画館における価値創造モデル(仮説)の一次生成に到達したことである。当該年度は研究の多くを既存入手データ(映画館経営者、および顧客へのインタビュー、顧客サーベイ、など)の分析と考察に費やした結果と言える。 当該年度各論:1)コロナ禍期間に実施されていなかった重要ケースの一つである八丁座(広島市)の映画イベントへの参加と顧客サーベイ、および経営者への追加インタビューを実施することができたことも大きな成果である。2)映画製作事業に関する論文出版(Journal of Applied Management)は、本研究の映画産業考察としての基盤の役割として重要と考えている。3)価値創造モデル(仮説)の学会発表での提示と議論も極めて大切なステップであった(Asia Pacific Conference、サービス学会国内大会)。 研究期間全体総論:研究期間全体を通じての最重要実績は、シネマ5(大分市)における顧客サーベイと個別インタビューの実施である。これにより、価値共創の観点から、これまで数多く実施していた映画館経営者側への取材を通じて明らかになっていた提供したい価値のあり方(value proposition)に対して、映画館体験から顧客が見出している価値の実態が明らかになり、さらにどのように価値創造が行われているのかというメカニズムへの考察段階へと進むことが出来た。また、その間にも、シネマ5(大分市)経営者の実施した新しいイベント(浪曲映画)をきっかけに、同経営者の価値観形成へと取材を進めることになったことも、本研究の深化につながったと考える。
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