2022 Fiscal Year Research-status Report
ミュージアムにおける聴覚体験デザインの実践的方法論の研究
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20K00248
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
寺田 鮎美 東京大学, 総合研究博物館, 特任准教授 (50466869)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ミュージアム / 博物館 / 文化政策 / 聴覚体験 / サウンドスケープ / AR |
Outline of Annual Research Achievements |
来館者の聴覚を通じた新たなミュージアム体験をデザインする実践的方法論を構築し、ミュージアムという場の創造性を高める芸術・文化実践モデルを提示するために、今年度も「ミュージアムと音」やサウンドスケープについての文献調査を継続した。また、今年度は、音を用いた展示に関する事例調査を実施した。国内では、兵庫県立人と自然の博物館、広島平和記念資料館、ヴァンジ彫刻庭園美術館等における展示解説音声提供に関する現地調査を実施し、貸出音声ガイド、スマートフォンで使う専用アプリやYouTubeリンクなど、展示解説音声提供の多様な形態の利点と課題の抽出および分析を行った。海外では、2021年秋に一部のギャラリーを新たにオープンした、英国・帝国戦争博物館を対象に、再現模型展示に組み込まれた音(効果音)、映像コンテンツに用いられた音など、最新の展示メディアにおける音の活用の工夫について、現地調査を行った。さらに、昨年度に引き続き、「耳で聞く展覧会」をコンセプトに、研究代表者が企画を担当した展示の構想や楽しみ方を伝えるための音声コンテンツを作成し、スマートフォンのアプリを通じて来館者に提供し、展示会場で視覚的に捉えられる体験に追加するかたちで、聴覚から獲得する情報によるAR体験の創出を試みる実践研究にも取り組んだ。これらを踏まえ、次年度は、ミュージアムにおける聴覚のさらなる活用について、様々な技術革新や音楽・メディア芸術分野の創造活動を取り込むことによる将来的な可能性も含めて考察を深めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度に引き続き、今年度前半期まで、コロナ禍により、国内外での現地調査に困難が生じていたため。
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Strategy for Future Research Activity |
国内外の現地調査が可能になった社会状況を鑑み、調査計画を見直し、予算執行を含めて効果的に研究を進める。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により、前年度から引き続き今年度前半期まで、国内外での現地調査に困難が生じていたため。国内外の現地調査が可能になった社会状況を鑑み、調査計画を見直し、特に旅費について効果的な予算執行を行う予定である。
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