• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2020 Fiscal Year Research-status Report

Studies of Tourist Sites as Places to Experience Music in Japan

Research Project

Project/Area Number 20K00249
Research InstitutionWaseda University

Principal Investigator

葛西 周  早稲田大学, 高等研究所, 講師(任期付) (00584161)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords観光 / 聴取論 / ハワイアン / 少女歌劇
Outline of Annual Research Achievements

当該年度は新型コロナウイルス感染症流行の影響でフィールドワークを実施できなかったが、当初調査対象として予定していた石川県和倉温泉で活動している雪月花歌劇団および福島県いわき湯本温泉のスパリゾートハワイアンズについて資料調査を進めつつ、国内外での研究動向の整理をおこなった。聴取論とツーリズム論の双方の観点から、観光地における音楽体験の事例について検討するための方針を立てられた点が本年度の成果と言える。以前の科研費研究課題「戦前・戦中期東アジアにおける音楽ジャンル観の変遷」(15K16640)において代表者は、同じ個人が同じ音楽を常に同じように聴いているとは限らないこと、そして音楽のジャンルとその聴き方は常に固定されているわけではないことを前提条件として、音楽体験の場を捉え直す必要性があるという結論に至った。本研究課題ではその問題について事例をつうじて実証的に考えるべく、従来の聴取論におけるシアター・アーキテクチャに関する議論を再検討し、観光地のパフォーマンス会場の構造とそこでのオーディエンスのふるまいとの連関について、旅行雑誌・建築雑誌等の資料調査に基づき分析した。また、観光地のパフォーマーとオーディエンスとの関係を考察する上で、ツーリズム論において使用されてきたホスト/ゲストの図式にローカル/ツーリストという区分を組み合わせて用いる有効性を検証した。加えて、「北陸の宝塚」や「日本のハワイ」といった、他の地域との類似性をその地域のイメージとしてアピールする手法に、パフォーマンスがどのように組み込まれてきたかを考察した。以上の成果の一部は、学会での口頭発表および論集への寄稿という形で公開した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当該年度は石川県和倉温泉および福島県いわき湯本温泉でのフィールドワークを中心に研究を進める予定だったが、前述のとおり新型コロナウイルス感染症流行の影響で、調査対象のパフォーマンスの中止や出張自粛要請が相次ぎ、実施が叶わなかった。したがって、本年度はやむを得ず計画を修正し、資料調査に注力した。研究計画遂行の観点から、達成度はやや遅れていると自己評価する。ただし、発表を予定していた学会にも中止・延期等の変更が生じたが、予備的調査ないし資料調査に基づいて、2件の学会発表と分担執筆の論集2件への寄稿をおこない、結果としてアウトプット面では当初の予定を上回るペースで進捗している。

Strategy for Future Research Activity

依然として新型コロナウイルス感染症の影響が続いており、フィールドワークの実施や県境をまたいでの資料所蔵機関の利用は難しい状況である。移動の制限がなくなり次第、直ちにフィールドワークを開始する準備を進めている。その際は、1年目に予定していた石川県和倉温泉・福島県いわき湯本温泉および、2年目に予定しているうち国内の調査地(静岡熱海温泉・修善寺温泉)から段階的に着手したい。調査によって特に明らかにしたいのは、(1)各地域での上演内容・上演形態(2)演奏の担い手と聴取層(3)地域的特色と上演内容との関連性(4)温泉地以外での音楽体験との相違点(5)演奏・聴取の場としての温泉地の歴史的変遷の5点である。なお、現況を踏まえたサブテーマとして、コロナ禍のパフォーマンス実施状況や上演方法・内容の改変について、情報を収集する。今後の見通しが定かではないため、フィールドワークを実施できない期間がさらに続いた場合に、資料調査に比重を置く形で計画を適宜修正する可能性についても併せて検討している。

Causes of Carryover

上述の新型コロナウイルス感染症の影響により、フィールドワークはすべて中止になり、国際学会も中止ないしオンライン会議に変更となったため、当該年度の予算のうち大きな割合を占めていた旅費を繰り越すこととなった。感染症の状況を考慮しつつ、今後フィールドワークが実施できるようになればその旅費に、当面実現が困難になった場合はその補填としての資料調査等に係る経費に、繰越分を活用する。

  • Research Products

    (2 results)

All 2020

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 「聴取の場」としての観光地:通ジャンル的聴取論に向けて2020

    • Author(s)
      葛西周
    • Organizer
      日本音楽学会第71回全国大会
  • [Presentation] 温泉地のパフォーマンスをつうじた地域イメージの形成 : 「日本のハワイ」を中心に2020

    • Author(s)
      葛西周
    • Organizer
      第32回日本ポピュラー音楽学会大会

URL: 

Published: 2021-12-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi