2020 Fiscal Year Research-status Report
映像編集技術のメカニズムの解析と編集教育プログラムの作成
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20K00250
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
横山 昌吾 東京藝術大学, 大学院映像研究科, 助教 (80761725)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筒井 武文 東京藝術大学, 大学院映像研究科, 教授 (70420297)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 映画編集 / 映画 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的である「編集表現のメカニズムを伝統的なフィルム技術とデジタルの創造性という観点から解明」のために研究初年度は、伝統的編集技術検証を国内外を問わず、映画編集技術者へのインタビューなどのフィールドワークの手法を用いて映画技術文献を参照しながら継承されてきた編集技術についての研究をおこなった。しかし、初年度は新型コロナウィルス蔓延による緊急事態宣言などの社会的情勢の影響により映画編集技術者への対面でのインタビューを行う機会を設けるのが難しい状況となった。そのため国内外の文献等による編集技術のリサーチや、インタビュー予定者の過去作品の編集作品のリサーチ、今後の活動のためオンラインに対応できるインタビューの環境整理などを行った。 また、本研究において重要な編集の基礎原理である”視線操作”を理解するため、アイトラッキングシステムのためのシステム構築と操作の設備に対する調査などおこなった。また、映画分野だけでなくアニメ、ゲーム分野も研究対象であることから、メディアと音響という観点で視点と情報認知についておリサーチも行なった。また、日々移りゆく映像業界のポストプロダクション事業の最先端のワークフローの理解のためNETFLIXなどの制作体制の現場リサーチなどもおこなった。 今年度は新型コロナウィルスの社会的影響により、対面でのフィールドワークの実地が困難な状況であった。ただし、文献等による編集技術に関する基礎研究や映像と編集と音響の表現についての基礎研究ができたのは大変有意義であり、本研究の研究土台を形成をすることができたと言える。また、アニメ分野の編集と音響のリサーチができたことも研究に大きな幅を持たせることができた。また映像分野の最先端の動向を踏まえたリサーチは、編集の今後を予測する意味でも重要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
基礎研究という意味ではほぼ当初の予定通りである。しかし、昨年度の新型コロナウィルスの社会的状況から、対面でのフィールドワークの実地が困難な状況であったことから当初予定していたインタビューによる聞き取り作業が遅れている。オンラインでの実地も視野に入れたが、より深い議論をするためにはやはり編集素材を共有しながらのインタビューができないなどの制約があるので行わなかった。 これらの理由から当初の予定より遅れていると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、新型コロナウィルスの社会的状況を鑑みながら、対面によるフィールドワークによるリサーチを進めていく。また、文献・映像資料等による研究も同時に継続をしていく。一方で、新型コロナウィルスの社会的状況が今後も改善されない、改善が見込めない場合は、オンラインでのインタビューなど感染防止を考慮した上でフィールドワークを行なっていく予定である。
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Causes of Carryover |
今年度は当初予定していたフィールドワークを実地できなかったため、謝金等の支払いが発生をしなかった。また、機材等の購入も予定していたが現在の研究状況では使用する必要がないので購入を控えたため、次年度への使用額が生じた。 今年度できなかったフィールドワーク等にかかる謝金などの支払いを今年度中に行う。また、研究で使用するアイトラッキングシステムの運用などを今年度後半に行う予定である。
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