2021 Fiscal Year Research-status Report
少女マンガ黎明期における「外国」および「戦争」イメージに関する実証的研究
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20K00263
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Research Institution | Konan Women's University |
Principal Investigator |
増田 のぞみ 甲南女子大学, 文学部, 教授 (80449553)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪俣 紀子 茨城大学, 人文社会科学部, 准教授 (20734487)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 少女マンガ / 外国イメージ / 雑誌研究 / 出版文化 / 少女向けメディア / 少女文化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、少女マンガ黎明期に活躍した戦前生まれの女性作家たちが「外国」や「戦争」のイメージをどう描いてきたのかを実証的に明らかにすることを目指している。 2021年度も前年に続き、水野英子や牧美也子、花村えい子などの作家に関する調査を進めた。2021年7月には、2020年12月に惜しまれつつ亡くなった花村えい子に関する論稿「「消えゆくもの」へのまなざしと「はかなさ」の美学――花村作品の海外での評価」(『漫画家本スペシャル 花村えい子本』小学館)において、フランス国民美術協会展 (SNBA)に招待作家として参加を続けるなど近年フランスをはじめ海外での評価が高まっていた花村の活動やその作品の特徴についてまとめた。また、2021年11月の研究報告「黎明期少女マンガと牧美也子――女性向けマンガにおける多様な活躍と「戦争」の影」(中部人間学会大会)、オンライン講座「Working Women in Manga」(The Japan Foundation London、online talk event)などにおいて研究成果の一部を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年に続き、新型コロナウイルス感染拡大の影響から出張をともなう調査や海外在住の研究協力者とのやり取りが思うようにできない状況ではあったが、できる範囲での資料調査を進めることで、2021年度も上記の通りいくつかの研究成果の報告を行うことができた。本研究課題は、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度も、引き続き少女マンガ黎明期の作家や作品に関する資料調査を進めていく予定である。これまでの成果をまとめる出版物等の企画の実現に向けて準備を進めるほか、「外国」イメージに関連するテーマとして宝塚歌劇に関する調査も続ける予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大のため、2021年度には海外在住の研究協力者に来日していただくことができず、当初予定していた過去のインタビュー調査の映像データの授受、また新たなインタビュー調査の実施が困難であった。2022年度にはこれらの調査を実施し、過去のインタビュー調査の文字起こし等も進めたいと考えている。
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Research Products
(7 results)