2021 Fiscal Year Research-status Report
New Vistas in Period-Drama Research: Researching Tangible and Intangible Resources on the Toei Kyoto Film Studio
Project/Area Number |
20K00265
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Research Institution | International Research Center for Japanese Studies |
Principal Investigator |
石川 肇 国際日本文化研究センター, 研究部, プロジェクト研究員 (80596734)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 時代劇 / 衣裳 / 殺陣 / 新選組 / 文化庁事業 / 観光庁事業 / 時代劇パネル展 / 時代劇エッセイ |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は3年計画の2年目で、1年目同様、フィールド調査型の本研究にとって新型コロナウィルスの影響は撮影所への出入りに制限がかかるなど深刻で、想定していた調査がほぼ不可能な状態となってしまった。そこで現場での調査型から、従来の研究成果を社会に発信する情報提示型に大きく切り替えることにした。その一つ目として、文化庁「国際文化芸術拠点型事業」として「令和3年度:時代劇フェスティバル事業:京都新撰組フェスティバル」を、東映太秦映画村を中心とした産官学民連携事業として行った。石川は具体的には「スマホでラリー、新選組ゆかりの地」を担当し、京都市内の新選組ゆかりの地を訪ねるデジタルスタンプラリーのコンテンツを作成した。二つ目として、観光庁「既存観光拠点の再生・高付加価値化推進事業」として「『映画のまち太秦」地域の観光再生に向けた高付加価値化事業」を、JR西日本を中心とした産官学民連携事業として行った。石川は具体的には、三日に渡る時代劇講演会と、JR京都駅2Fインフォメーションコーナー前に「「映画と暮らすまち、太秦」 パネル展」を開催した。三つ目として、国際日本文化研究センター機関拠点型基幹研究プロジェクト(6か年)の総括シンポジウム「日本大衆文化研究の最前線―新しい日本像の創出にむけて―」において、半日に渡る「時代劇映画の文化的芸術的価値の再発見 -衣裳と殺陣」を展開し、アートから遠いと思われていた大衆娯楽の時代劇映画が、実は日本の伝統文化を反映した総合芸術だったということを明らかにするとともに、プロジェクトの目的「新しい日本像と文化観の創出」に繋げた。四つ目として、共同通信社から全国の新聞社に配信する形で、時代劇エッセイ「衣装からみる時代劇」を連載(5回)した。それは時代劇衣裳から時代劇の歴史に光を当てたもので、時代劇評価の新しい視点として世に認知されることとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2021年度は3年計画の2年目で、1年目同様、フィールド調査型の本研究にとって新型コロナウィルスの影響は撮影所への出入りに制限がかかるなど深刻で、想定していた調査がほぼ不可能な状態となってしまった。しかし、こうした状況に陥るであろうことがわかっていたので、現場での調査型から、従来の研究成果を社会に発信する情報提示型に大きく切り替えることにした。つまりは、最終年度に行う予定だった成果報告を前倒しする形で行うことにしたことになる。衣装調査という点からすれば「現在までの進捗状況」は「遅れている」と言わざるを得ないが、しかし、研究成果の社会への還元という点からすれば、文化庁や観光庁との地域貢献型事業の展開や共同通信社を通した時代劇衣裳に関するエッセイの連載など「現在までの進捗状況」は想像を遥かに超えた「当初の計画以上に進展している」地点に達していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
3年目の最終年度となる2022年度は、なにより、撮影所における衣裳調査の遅れを取り戻すための衣装調査を中心としたものにする。そして①撮影所の衣裳担当(引退なされた1名と現職1名)へのインタビュー。②書籍類のある倉庫(今は図書室)の調査。③コロナが収まれば辻村寿三郎へのインタビューを行う。④そして年度内開催の美術展覧会(二か所)の準備を進め、その図録も作る。⑤東映の若手俳優に依頼して作成したモーションキャプチャーにアニメを付け、発信できる形に整える。
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Causes of Carryover |
2021年度もまた新型コロナの影響で旅費や謝金などで使用することができなかったため。2022年度は、初年度から予定していた衣装の調査を正常に戻すだけでなく、関係者への聞き取り調査も予定しており、それらの調査費などで支出予定である。
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Research Products
(2 results)