2022 Fiscal Year Research-status Report
橋梁・機械技術を中心とした技術の内的・外的要因の分析に関する研究
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20K00274
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
小林 学 千葉工業大学, 工学部, 准教授 (60447555)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ウィリアム・フェアベーン / ロバート・スチーブンソン / ジョセフ・ミッチェル / 鉄道 / 橋梁 / 蒸気機関 / イギリス / 材料力学 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は、資料調査・情報収集のため英国への出張を夏期に行った。スコットランド、インバネス-アバーディーン間にあって現在も鉄道橋として使用されているFindhorn Viaductを視察するなど一定の成果を得た。この鉄道はジョセフ・ミッチェル(Joseph Mitchell, 1803-1883)によって設計され、この橋の鉄骨はマンチェスターのMessrs. Fairbairn and Sons社によって製造された。ジョセフ・ミッチェルの人物については、ロンドンの土木技術者協会にて調査することもできた。フェアベーンの自伝には、フェアベーン・エンジニアリング社の支援を得て1870年までにほぼ1000の橋梁を建造・設計したと記されている。これについては、Richard Byromによるフェアベーンの伝記(2017年)に詳細が記されており、このByromの研究を踏まえてフェアベーンによる橋梁建設に特に着目し研究を遂行中である。 コーンウォールのレッドルースに新たに建設されたKresen Kernowというアーカイブを初訪問することができた。コーンウォールのTruroにあるRoyal Institution of Cornwallにも訪問し、資料の収集にあたった。 これまで収集してきた英語で書かれた手書きの資料をコンピューターにタイプする作業を進めている。判読困難な文字も多いが、できる限り内容を把握できるよう努めている。時間はかかる地道な作業であるが、本研究課題に関係がありそうな資料に特に集中して読解を進めていきたい。 研究成果の一部は、令和5年5月に開催する日本科学史学会年会シンポジウム「ものが語る技術史――土木・機械技術史からのアプローチ」にて「鉄道と橋――ブリタニア橋に使われた管桁の変化とその伝播」というタイトルで発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和2年、3年度は新型コロナウイルス感染症の世界的流行のため、予定していた海外出張がなかったが、令和4年度は当該研究の資料調査・情報収集のための英国への出張を実施できた。少しずつではあるが、遅れを取り戻しつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間を延長できたため、資料調査・情報収集のための海外出張を行うなど加速度的に研究を進める。
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Causes of Carryover |
令和2、3年度に新型コロナウイルス感染症の世界的流行により予定していた海外出張がなかったことが主たる理由で未使用額が生じており、令和4年度は海外出張を実施するも、なお残金が生じている。これらは次年度に主として海外出張旅費に充てる見込みである。
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