2021 Fiscal Year Research-status Report
日本的ファンシーをめぐる1970年代の女性文化再編の研究ーサンリオ出版を中心に
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20K00293
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小平 麻衣子 慶應義塾大学, 文学部(三田), 教授 (40292635)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 名津子 弘前大学, 人文社会科学部, 准教授 (10770125)
吉田 司雄 工学院大学, 教育推進機構(公私立大学の部局等), 教授 (50296779)
小泉 夏子 (徳永夏子) 日本大学, スポーツ科学部, 講師 (00579112)
井原 あや 大妻女子大学, 文学部, 講師 (30882302)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | サンリオ / 『詩とメルヘン』 / SF / 女性詩 / 詩 |
Outline of Annual Research Achievements |
第1回研究会は、2021年7月31日(土)に、テーマ「サンリオの出版物『詩とメルヘン』を概観する」と題し、小平麻衣子(担当:1973年4 月~1977年4月)、井原あや(担当:1977年5 月~1981年3月)、尾崎名津子(担当:1981年5月~1982年12月)がそれぞれ担当の時期について発表を行った。コメンテーターには太田知美氏を招き、『詩とメルヘン』についての全体像の把握に努めた。 第2回研究会は、2021年9月11日(土)にオンライン開催し、徳永夏子氏「『詩とメルヘン』(1985年12月~1990年12月)について」、加藤優氏「サンリオSF文庫における「国際」性―ニュー・ウェーブSFとの関わりから―」、吉田司雄氏「サンリオSF文庫と〈SFの歴史〉―フェミニストSFを中心に」の3本の研究発表と討議を行った。この回では、サンリオSF文庫の特色を整理した。 第3回研究会は、2021年11月6日(土)に木村智哉氏を招き、講演「サンリオの映画事業とその時代」をオンライン開催した。映画産業の流れにおけるサンリオの位置づけについて知見を得た。 第4回研究会は、2022年3月27日(日)にオンライン開催し、吉田恵理氏「『詩とメルヘン』同時代の詩の状況―1970年代を中心に」濱崎睦氏「80年代における「女性詩」をめぐって」、の2本の研究発表と討議を行った。いわゆる〈女性詩〉への注目前夜の詩壇の問題意識について理解を深めた。1年間を通じて、多岐にわたるサンリオの出版物、文化的事業について、着実に成果を重ねている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
遅れの原因は、2020年度からの新型コロナ流行による研究会開催や調査活動の制限によるものである。2021年度自体では、定期的に研究会を開催し、サンリオの多岐にわたる文化的活動について理解と分析を深めることができており、遅れを取り戻す努力は行っている。ただし、各地の文学館や記念館での調査などについては、種々の制限により、当初の計画は達成できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、計画よりも多くの研究会を開催する予定にしており、加えて、サンリオの出版事業に携わった方へのインタビューも計画しているため、一定程度は遅れを取り戻すことができると考える。一方、当初は国際研究集会の開催を予定していたが、これについてはすでに時期を延期しているが、実施方法の変更も視野に入れている。
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Causes of Carryover |
2020年度から引き続く新型コロナ流行により、対面での研究集会が実施できなくなり、招聘講師の旅費などが予定より少なかったこと、また各地の文学館や記念館などへの調査出張を控えたことによるものである。2022年度は状況に応じて対面の研究会や講演の機会を増やし、また予定したよりも資料購入や複写、または複写物の郵送に多くを割くことで対応する。最終的には研究成果を書籍として発行することも計画に入れているため、こちらに計画以上の予算を振り向ければ、資料などの充実が期待できることになり、研究の質や水準は確保できると考える。
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Research Products
(11 results)