2023 Fiscal Year Research-status Report
寺山修司記念館所蔵資料の基礎研究にもとづく地方文学館利活用の新開発
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20K00301
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Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
葉名尻 竜一 立正大学, 文学部, 教授 (00713075)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀江 秀史 静岡大学, 人文社会科学部, 准教授 (10827504)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 寺山修司 / 国際シンポジウム / 寺山修司没後40年記念認定事業 / さっぽろ寺山修司資料館 / 三沢市寺山修司記念館 / ウィスコンシン大学マディソン校 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023(令和5)年の目標であった国際シンポジウムを小規模ながら開催することができた。日程は11月3、4日の二日間、「寺山修司の『質問』を問い直す」をテーマに、アメリカのウィスコンシン大学マディソン校にて東アジア研究センターとの共催で実施した。三沢市寺山修司記念館とさっぽろ寺山修司資料館からの後援を受け、また寺山修司没後40年記念事業としても認定された。オンラインとの併用で青森と静岡とロンドンからの登壇者をつなぎ、現地では大学院生が通訳として参加してくれた。 俳句研究誌「牧羊神」の同人でさっぽろ寺山修司資料館代表の山形健次郎氏が特別対談のために渡米予定だったが、諸事情によりオンデマンドでの挨拶へ変更となった。プログラムを簡潔に記すと、「寺山修司と数学」(スティーヴン・リジリー)「映像往復書簡-寺山修司と谷川俊太郎から、萩原朔美と吉増剛造へー」(石原康臣)、「ビジネスダイアリーから寺山修司著作年譜へ」(小菅麻起子)、「死のリミックス:寺山×谷川『ビデオレター』における身体の感情、沈黙の詩学」(ジョナサン・E・エイブル)、「寺山修司の少女向け作品と日本の少女文化」(久保陽子)、「ずたずた挽きし花カンナ:寺山修司の短歌を連作として翻訳する」(サーリネン・カイサ)、「あなたは、どこから来たの? 新出『毛皮のマリー』天井棧敷公演台本の考察」(久慈きみ代)、「寺山修司とメディア感覚」(ミリヤム・サス)、「寺山修司と昭和、あるいはアメリカ」(堀江秀史)、「『質問』する短歌」(葉名尻竜一)。 シンポジウムでは日米の研究者の間で、寺山修司の創作活動をどのように規定することができるだろうかとの議論になった。これまで機会の少なかった対面での学術交流の場を設けられたのは有意義だった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アメリカでの国際シンポジウムの開催にはたいへん長い準備期間を要したが、まずは無事に実施できたことが大きい。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はこれまでの研究成果を報告するような冊子の制作にあてる。国際シンポジウムの各登壇者にも研究発表の内容を文書で報告してもらう予定である。 「研究実績の概要」にも記したが、諸事情で実施できなかった特別対談「山形健次郎氏(さっぽろ寺山修司資料館代表)とスティーブン・リジリー教授(ウィスコンシン大学マディソン校)」を、6月23日(日)にさっぽろ寺山修司資料館で開催する運びとなった。札幌開催は対面での参加が容易になるため、公開での開催を計画している。主催はさっぽろ寺山修司資料館に移ったが、昨年の学術交流の場がなければこのような機会は生まれなかっただろうと考えらるので、各研究をつなぐような働きは今後もますます重要になっていくだろうと思われる。
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Causes of Carryover |
研究計画を1年延長したことと、アメリカでの国際シンポジウムへ参加するために渡米を計画していた研究協力者が1名、体調不良で取りやめることになった。その調査研究旅費が繰り越されたため。
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Research Products
(1 results)