2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K00312
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安藤 宏 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (30193113)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 太宰治 / 文学館 / 太宰治展示室 |
Outline of Annual Research Achievements |
・コロナ禍が次第に収束しつつある現状を踏まえ、本研究期間に実現できなかった出張・調査を行った。5月22日~25日に津軽に出張し、太宰の宿泊した浅虫温泉椿館、大鰐温泉ヤマニ仙遊館、ならびに五所川原市の太宰治記念館斜陽館、太宰治生家ゆかりの側島家旧宅(かなぎ元気村)を調査、並行して青森県立高校教諭西谷ともえ氏、青森県近代文学館室長乳井伸樹氏、東奥日報記者沼田典子氏、弘前市立郷土文学館館長櫛引洋一氏、弘前市文化財審議委員長福井敏隆氏らと懇談し、有益な研究情報の交換を行うことができた。 ・7月12日に長野県安曇野市文書館にて講演「太宰治と臼井吉見」を行い、地元の関係者と懇談し、情報収集を行った。また、講演活動としては、東京大学文学部公開講座「太宰治の文体ー近代小説の「言」と「文」」(6月11日)、桐光学園「太宰治文学の魅力」(10月22日)、昭和女子大学日文特別講演会「太宰治と近代作家たちー芥川龍之介・川端康成・志賀直哉」(11月16日)を行い、本研究の成果を社会発信することができた。 ・三鷹市(三鷹市スポーツと文化財団)との協力関係も継続し、「太宰治展示室」の企画展示「太宰治と生きるー津島美知子の決意と生涯」(7月~10月)、「太宰治より愛なる鰭崎潤へ」(10月~1月)に関して、関係者と懇談し、企画協力を行った。 ・本研究の成果である『太宰治論』(東京大学出版会、2021年)の刊行を受け、全国の太宰治研究者の合同研究集会が8月30日に大妻女子大学で行われ、同書の内容に関する討論を行った。コロナ禍でなかなか進んでいなかった研究者の交流に、大きく寄与することができたものと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍の収束と並行して、出張、講演による研究の社会発信、研究者相互の交流が進展したため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、青森市、弘前市、甲府市、三鷹市、塩尻市などの関係機関と協議し、研究成果発信に努めていく。 その際、関係各機関の太宰治関連資料のデジタル化、オンライン化について、具体的な協議を進めていく。 また、新出資料に関する情報を収集し、関係者と協議を進めつつ、その公開の促進に努力していきたい。
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Causes of Carryover |
予定していた資料の製本作業、また、資料整備のためのアルバイト作業が未消化に終わったため、最終年度にこれを繰り入れて達成したい。
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Research Products
(3 results)
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[Book] 坂口安吾大事典2022
Author(s)
安藤宏・大原祐治・十重田裕一(編集代表)
Total Pages
787
Publisher
勉誠出版
ISBN
978-4-585-20079-6