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2022 Fiscal Year Annual Research Report

「出雲国造神賀詞」神話の研究:平安朝初頭の祭儀神話としての考察

Research Project

Project/Area Number 20K00333
Research InstitutionNational Institute of Technology(KOSEN),Numazu College

Principal Investigator

小村 宏史  沼津工業高等専門学校, 教養科, 教授 (50734688)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords出雲国造神賀詞 / 鎮魂 / 出雲氏 / 物部氏 / 日置氏
Outline of Annual Research Achievements

令和4年度は、「出雲国造神賀詞」固有の神話的言説といえる、四神鎮座記事の形成について、大和葛城と出雲双方に勢力基盤を有する、日置部およびその伴造氏族(以下、日置氏)との関係を中心に調査・考察を行った。『出雲国風土記』の記述から、日置氏は、杵築大社のオホナムチ祭祀に関与したことがうかがえ、また氏の本貫地である大和葛城ではアヂスキタカヒコネの信仰と深い関わりを有していたと考えられる。報告者は検討の結果、当該四神鎮座段の言説は、出雲で生まれたものではなく、大和に存在した三輪山・葛城山の信仰(太陽祭祀)に由来するものであり、その発想が出雲国造の神話的言説の中に取り込まれたのは、大和葛城を本貫とし、鴨氏とかかわりの深い日置氏を媒とするものであったことを明らかにした。またその過程で、報告者が前年度までの検証から得た見解、すなわち「出雲国造神賀詞」神話(およびそれが奏上される儀礼のコンテクスト)が物部氏の〈鎮魂〉概念に依拠して成り立っているという主張についても、物部氏・出雲氏双方と関係性を有する日置氏の存在を想定することで、さらに補強することができたと考える。
以上の見解については、「「出雲国造神賀詞」における出雲系四神鎮座の言説について――日置部およびその伴造氏族をてがかりに――」 (東京大学国語国文学会 『國語と國文學』2022年11月特集号(通巻1188号))として、論考を公にした。
3年間の助成を得た結果、「出雲国造神賀詞」神話の言説がよってたつ思想基盤(鎮魂観)、およびそれを成り立たせた氏族関係(出雲氏、神門氏、物部氏、日置氏)について、新たな提言を示すことができたと考える。

  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] 「出雲国造神賀詞」における出雲系四神鎮座の言説について――日置部およびその伴造氏族をてがかりに――2022

    • Author(s)
      小村宏史
    • Journal Title

      東京大学国語国文学会 『國語と國文學』2022年11月特集号(通巻1188号)

      Volume: 99-11 Pages: 132-146

URL: 

Published: 2023-12-25  

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