2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K00334
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
木越 俊介 国文学研究資料館, 研究部, 准教授 (80360056)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 奇談 / 名所図会 / 諸国 / 羇旅漫録 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、研究課題において当初から予定していた具体的な成果3点が得られた。一つ目は曲亭馬琴『羇旅漫録』の校訂・註釈を完成させ、書誌的な解説も加え、さらに『蓑笠雨談』の本文と併載し一般書として刊行できたこと。二つ目は、これまで複数の口頭発表を行ってきた地誌と奇談の関係をまとめ、『知と奇でめぐる近世地誌 名所図会と諸国奇談』という単著に結実したこと、三つ目は、曲亭馬琴『羇旅漫録』における異本群を整理し、そこに含まれる問題提起も含め「曲亭馬琴『羇旅漫録』の諸本について―十方庵大浄本を中心に―」と題し、全国学会で発表したこと、以上である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、4年目にまとめる予定でいた本課題における取り組みについての成果の多くを本年度に発表することができた。その意味で、当初の計画以上に進展している。これは、1、2年目に新型コロナウィルスの蔓延に直面したが、研究の方向性や順序を臨機応変に変更したこと、またそれ以上に、本計画を立てるにあたって事前に資料の入手や予備調査を十全に行ってきたことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、本年度に口頭発表を行った研究「曲亭馬琴『羇旅漫録』の諸本について―十方庵大浄本を中心に―」を論文としてまとめ投稿することが優先される。さらに、ここまで大幅な制限を強いられてきたフィールドワークがようやく範囲を広げて行える状況となったので、大坂をはじめ箱根、さらには奥羽方面の街道についても実地調査を行う予定である。さらに、本課題の対象とする時代を同じくする考証活動などの進展が、地誌にみられる傾向的な変化と相通ずることを確信するに至った。そこで、数多くある近世随筆類の中から、奇談を含むものに注目し、京都において記された伴蒿蹊『閑田耕筆』『閑田次筆』、江戸において記された曲亭馬琴ほか『兎園小説』を対象とし、その記事について註釈を加えながら研究を進めていくことにしている。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響で、予定していた調査ができないなど、一部計画を遂行できない部分があったため。
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Research Products
(3 results)
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[Book] 羇旅漫録2022
Author(s)
曲亭 馬琴、木越 俊介
Total Pages
512
Publisher
平凡社
ISBN
9784582809077