2022 Fiscal Year Research-status Report
A Study of History of Children's Literature and Culture in the Meiji and Taisho Periods through the Unpublished Materials of IWAYA Sazanami
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20K00335
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Research Institution | International Institute for Children's Literature,Osaka |
Principal Investigator |
土居 安子 一般財団法人大阪国際児童文学振興財団, その他部局等, 総括専門員 (00416257)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅岡 靖央 白百合女子大学, 人間総合学部, 教授 (60788941)
遠藤 純 武庫川女子大学, 教育学部, 准教授 (10416258)
大貫 俊彦 千葉工業大学, 工学部, 准教授 (70738426)
柿本 真代 京都華頂大学, 現代家政学部現代家政学科, 准教授 (40759081)
酒井 晶代 愛知淑徳大学, 創造表現学部, 教授 (10279953)
中川 理恵子 豊岡短期大学, その他部局等, 講師 (00286890)
宮川 健郎 一般財団法人大阪国際児童文学振興財団, その他部局等, 特別専門員 (80166123)
目黒 強 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (70346229)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 児童文学 / 児童文化 / 巖谷小波 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本の文学・文化・教育において、多大な影響力を持った巖谷小波(以下、小波とする)を核として、小波の1,000枚を超える未発表の葉書等の資料を検討しながら、明治・大正期の児童文学・児童文化史を研究するものである。第3年目である本年度は、1年目に計画していた未発表の小波の1,187枚の絵葉書を借用することができた。そこですべてを撮影し、画像を元にデータ入力を行い、その結果を元に分類し、日本児童文学学会第61回研究大会(2022年11月20日 於:宮城教育大学)の「ラウンドテーブル:巖谷小波と絵葉書」でその一端を報告した。その際には、絵葉書の所有者である、巖谷小波のご令孫である巖谷國士氏の講演も行った。それによって、絵葉書が、巖谷小波の幅広い活動を示す資料として貴重であるばかりでなく、明治時代の絵葉書研究資料としても貴重であることが明らかになった。中川理恵子の報告は、「巖谷家所蔵 巖谷小波関連絵葉書研究について―多様な小波研究への入り口」として『大阪国際児童文学振興財団研究紀要』36号に掲載した。また、ラウンドテーブル終了後、入力データを確認するために、絵葉書の現物調査を実施した。 同時に、絵葉書の調査・研究の充実を図って、各メンバーが小波の小説研究、児童文学史での小波の位置づけに関する研究、小波と中部地方とのかかわり、小波が編集した叢書の特徴などの研究を実施した。それらの成果はまずは、前半2回の研究会で発表され、活発な意見交換が行われた。 そして、その結果、「「少年文学」叢書と口絵・挿絵の制作」(柿本真代)、「巖谷小波といとう呉服店―出発期の動向・新聞記事を手がかりとして―」(酒井晶代)、「「絵本」としての「日本一ノ画噺」」(土居安子)を『大阪国際児童文学振興財団研究紀要』36号に発表することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響で、1年目に計画していた絵葉書等の資料を今年度になってやっと借用することができた。これまでは、予備調査や、絵葉書の内容にかかわると思われる小波研究を行っていたが、絵葉書を借用することができたため、急いで研究をすすめた。しかしながら、絵葉書の内容を詳細に読み込み、分析するところまではできなかった。それゆえ、研究を1年延長し、4年目には、絵はがきの内容をより精緻に調査し、研究を発展させたい。
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Strategy for Future Research Activity |
巖谷小波未発表自筆資料のデータを分類し、分類ごとの特徴を明らかにし、口演童話家としての小波研究、雑誌編集者としての小波研究、児童文学作家としての小波研究、児童文化人としての小波研究、硯友社同人としての小波研究、教育者としての小波研究を行い、交流する。また、日本児童文学学会で本研究に関わるラウンドテーブルを行い、研究成果を公開する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、1,2年目の活動が計画どおりにできず、研究に遅れが生じたため、3年目は予定どおりの研究を行っても使用額が残った。残額は、最終年度である4年目に、資料の調査や研究会の実施、シンポジウム、報告書の発行などを行うために使用する予定である。
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Research Products
(8 results)