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2020 Fiscal Year Research-status Report

「嵯峨本願寺資料」に関する総合的研究

Research Project

Project/Area Number 20K00354
Research InstitutionRitsumeikan University

Principal Investigator

川崎 佐知子  立命館大学, 文学部, 教授 (00536120)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords東本願寺 / 京都 / 皇室 / 公家 / 大谷家
Outline of Annual Research Achievements

「嵯峨本願寺資料」とは、宗教法人本願寺(京都市右京区)に蔵される計435点の資料群を指す。これらは、真宗大谷派本山本願寺(東本願寺)門主であった大谷家の蔵書・宝物類の一部である。本研究の目的は、「嵯峨本願寺資料」を対象とし、その書誌調査を基礎に、江戸時代の東本願寺における蔵書蒐集過程の推定、および近世京都における東本願寺門主周辺の文学的・文化的活動の実態を明らかにすることである。
研究初年次にあたる令和二年度は、「嵯峨本願寺資料」の資料調査を重点研究テーマとして設定し、「嵯峨本願寺資料」の書誌データ集積に努めた。具体的には、宗教法人本願寺(京都市右京区)において「嵯峨本願寺資料」を親しく閲覧し、複数回にわたる書誌調査を実施した。調査内容は、原本の書誌と内容の確認ならびに資料判読であった。調査は、令和二年六月以降、月一回の頻度で実施した。この作業を通じて、資料群の全容を容易に把握できるようになった。学術情報基盤として広く利用できるよう、所蔵機関の許可を得たうえで、できるだけ早期に目録を公表することを考えている。資料群全体の把握により、その資料構成もはっきりと見通せるようになった。申請当初は、おおまかに三つ((1)宗教開祖親鸞聖人以来の教義の根幹をなす資料、(2)教如以降の近世の門主に関係する資料、(3)大谷光勝以降の明治・大正・昭和の法主に関わる資料)に分類できると想定していた。今の時点でも、この分類そのものを変更する必要はないように思う。ただし、もともと(2)に属すると思われた資料の一部に、(1)に分類すべきものがあることを見いだした。詳細な資料調査が、より適切な整理につながっているものと判断する。令和二年度の資料調査により、(2)には近世京都の公家と東本願寺門主との交流を示す資料が多く含まれることも確実となった。次年度以降の調査・研究にもつながる成果をあげることができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

令和二年度は、宗教法人本願寺(京都市右京区)における資料調査を、月に一度の頻度で実施した。これは、申請時に予定していたとおりのペースである。令和二年度の研究計画を、当初考えていたとおりに実施できている。今のところ、おおむね順調に進展していると判断する。
いっぽうで、COVID-19の影響もあり、遠方の研究機関への訪書は予定どおりには実行できず、関連資料の収集については著しく滞っているといわざるを得ない。紙焼き写真やデジタルアーカイヴなどで利用できるものは利用するなどの手立てを講じる必要がある。
また、途中経過報告、および意見交換のために参加を企図していた学会は、ほとんどが開催中止、もしくは延期となってしまった。オンライン開催の学会に参加するなど、努めて成果公表の機会を求めていくよう心がける。

Strategy for Future Research Activity

令和二年度に開始した「嵯峨本願寺資料」の調査は、今後も継続して進めていく。そのうえで、資料調査により集積したデータを、これからの研究に活用する方法を考え、さらに高度な研究段階への移行を目指す方針である。
当初予定したとおり、「嵯峨本願寺資料」には、禁裏・公家文庫に関連する資料も多く含まれる。今後は、具体的にいくつかの資料を選び、重点的に調査し、考察を進めることとする。
COVID-19の影響により、成果公表の場が減少していることは懸念材料にちがいないが、できるかぎり、オンライン開催の学会などに参加することで対応する。
関係諸機関への資料調査は、現物を実際に閲覧することに比較すれば大幅な制約はあるものの、紙焼き写真やデジタルアーカイヴの利用で得られる情報を十分に活用することなどに替えて、可能なかぎり対応するようにする。

Causes of Carryover

当該助成金が生じた状況として、令和二年度は、COVID-19の影響で、当初参加を予定していた国内外の学会の大半が開催中止もしくは延期となったことがあげられる。また、令和二年四月より半年間は大学構内への立ち入りが制限され、研究活動の拠点の利用に著しく支障が生じたという経緯もある。
翌年度分として請求した助成金と合わせた使用計画としては、令和三年八月に開催される国際学会に参加する予定であること、オンラインで福州大学(中国福建省)との共同研究会の開催を予定していること、令和二年度に引き続き、宗教法人本願寺(京都市右京区)での実地調査を月一回程度実施する予定であること、などである。

  • Research Products

    (2 results)

All 2021

All Journal Article (1 results) (of which Open Access: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 翻刻『別本 御書物方年譜覚書』2021

    • Author(s)
      川崎佐知子・芳村弘道・中本大
    • Journal Title

      立命館白川静記念東洋文字文化研究所紀要

      Volume: 14 Pages: 89-107

    • Open Access
  • [Presentation] 『別本 御書物方年譜覚書』について2021

    • Author(s)
      川崎佐知子
    • Organizer
      白川研第二研究プロジェクト「日中韓漢籍研究」及び科研費「朝鮮渡り唐本の総合的研究」二〇二〇年度研究成果報告会

URL: 

Published: 2021-12-27  

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