2020 Fiscal Year Research-status Report
現代台湾文学・映画におけるLGBT文化の影響―ジェンダー表象に注目して
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20K00372
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
赤松 美和子 (佐藤美和子) 大妻女子大学, 比較文化学部, 准教授 (00510653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
四方田 千恵 (垂水千恵) 横浜国立大学, 国際戦略推進機構, 教授 (70251775)
八木 はるな 高崎経済大学, 地域政策学部, 特命助教 (40845806)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ジェンダー / LGBTQ / 台湾 / 台湾文学 / 台湾映画 / 台湾語歌曲 |
Outline of Annual Research Achievements |
海外調査による資料調査は行えなかったが、オンラインを利用して交流、資料収集に努めた。 10月には、第1回オンライン研究会「現代台湾文学・映画におけるLGBT文化の影響―ジェンダー表象に注目して」を主催し、張文菁「小説と台湾語歌曲の融合ーー洪徳成作品のジェンダー・ディスコース」、赤松美和子「LGBT文化の成熟と現代台湾映画におけるジェンダー表象」がそれぞれ報告を行い、八木はるながコメンテーターを務めた。 研究代表者の赤松美和子は、論文「台湾同志文学が日本統治期を語ることの可能性と不可能性」『文学の力、語りの挑戦 中国近現代文学論集』(東方書店)を発表した。また「第四屆文化流動與知識傳播:臺灣文學的斷裂與蔓生」國際學術研討會にリモートで参加し「疫情與東亞文化流動:在日本」について報告したほか、政治大学台湾史研究所で台湾映画におけるジェンダーと日本表象について授業内講演を行った。 研究分担者の四方田千恵(垂水千恵)は、単著『奮鬥的心靈:呂赫若與他的時代』(國立臺灣大學出版中心)を刊行した。 研究協力者の白水紀子は「中国の女性文学:「女の声」を聞く」『アジア・ジェンダー文化学研究』第4号を発表したほか、「台湾現代文学における多元性の再構築―新移民・LGBT文学を中心に」(17K02658 代表:四方田(垂水)千恵)第4回オンライン研究会で「台湾LGBT文学の現在」と題して講演した。同じく研究協力者の張文菁は「1950年代後半の台湾における通俗出版――通俗誌・香港・貸本屋」『野草』第105号を発表したほか、「台湾現代文学における多元性の再構築―新移民・LGBT文学を中心に」第3回オンライン研究会で「新旧華僑が形成する横浜中華街-新移民文学誕生の可能性を論じる」と題して講演した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1年目の2020年度は①海外渡航調査、②定例会開催、③日本台湾学会学術大会分科会の企画、④論文、学会、研究会発表を通しての研究成果の発信の四点を予定していた。それぞれの進捗状況は以下の通りである。 ①台湾への海外調査を予定していたが不可能となり、リモート、オンラインを利用して当初の予定に近い活動を行おうと努力していたものの、台湾の図書館や国家電影中心に行かなければ見ることのできない資料や現地でのみ購入可能なものもあるため、順調とは言い難い。 ②定例研究会は当初は2回開催予定だったが、1回のみの開催となったため、1回を2021年度に延期する。 ③2021年度開催の日本台湾学会第 23回学術大会の分科会を企画し、10月にエントリーし採択された。 ④各自、論文や書籍などを発表、刊行するとともに、研究会などで報告を行い研究成果の発信に努めた。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目の2021年度の計画は以下の通りである。 ①5月に日本台湾学会第23回学術大会における分科会「予定調和のためのジェンダー・ポリティクス―1950年代のラジオ放送および近年のLGBTQ映画」において、張文菁「小説と台湾語歌曲の融合―ラジオ放送と洪徳成作品」、赤松美和子「台湾LGBTQ映画における子どもをめぐるポリティクス」がそれぞれ報告し、四方田(垂水)千恵、白水紀子がコメンテーターを務める。 ②10月と2月に定例研究会を開催する。 ③コロナの状況が改善し、年度内に海外渡航が可能であれば海外資料調査を行う。 ④各自、論文発表や学会、研究会などで報告を行い研究成果の発信に努める。
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Causes of Carryover |
海外渡航が不可能であり国内移動も推奨されなかったため旅費を使用できなかった。台湾での資料収集・購入も行えなかったため物品費も予定通り使用できなかった。当初、翻訳費を謝金として計上していたが、翻訳費をその他として計上したため、差異が生じた。 今年度は、コロナの状況が改善し年度内に渡航可能であれば使用予定である。
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Research Products
(11 results)