2023 Fiscal Year Annual Research Report
現代台湾文学・映画におけるLGBT文化の影響―ジェンダー表象に注目して
Project/Area Number |
20K00372
|
Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
赤松 美和子 (佐藤美和子) 大妻女子大学, 比較文化学部, 教授 (00510653)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
四方田 千恵 (垂水千恵) 横浜国立大学, 国際戦略推進機構, 教授 (70251775)
八木 はるな 高崎経済大学, 地域政策学部, 特命助教 (40845806) [Withdrawn]
張 文菁 愛知県立大学, 外国語学部, 准教授 (00434241)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | LGBTQ映画 / LGBTQ文学 / ジェンダー / 台湾文学 / 台湾映画 / 同性婚法制化 / バックラッシュ |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度の「現代台湾文学・映画におけるLGBT文化の影響―ジェンダー表象に注目して」の研究実績は以下の通りである。赤松美和子は、表象文化論学会『REPRE』に「台湾ホラー映画における母性のアブジェクシオン ──ジェンダー平等へのバックラッシュ」を発表したほか、ふぇみ・ゼミの「映画が映す東アジア~ジェンダー、セクシュアリティ、社会 」において、「台湾LGBTQ映画からホラー映画まで―ジェンダー平等?バックラッシュ?」と題して報告した。 研究分担者の張文菁は、中国文芸研究会で「身体と政治をつなぐ同志文学――郭強生『断代』にみる台湾の1980年代」について発表した。八木はるなは、東方学会で「白先勇のLGBT小説『ニエズ』の東アジア文化界における受容と変容」について発表したほか、『毎日新聞』に、「性的多様性描く金字塔 台湾の小説『ニエズ』の40年」を寄稿した。 研究協力者の垂水千恵は台湾大學台湾文学研究所で「關於邱妙津作品裡的互文性(intertextuality)以鰐魚手記為中心」について報告したほか、日本台湾学会第25回学術大会において分科会「写真学・建築学の視点から読む『ニエズ』とその背景」を企画し、座長を務めた。白水紀子は、甘耀明の小説『真の人間になる 上』『真の人間になる 下』(白水社)を翻訳し刊行した。 そのほか、二か月に一度、紀大偉『同志文學史:台灣的發明』の読書会をオンラインで開催した。 本研究では、LGBTQ文化の成熟の先にどのようなジェンダー認識の世界が展開されているのかを現代台湾文学・映画を例として分析、考察してきた。同性婚法制化は、台湾社会全体のジェンダー観に大きく影響を与え、それらは作品におけるジェンダー表象にも反映されていったことが明らかになった。同時に、家族に関するジェンダー表象に必ずしも反映されていないことも顕在化した。
|