2020 Fiscal Year Research-status Report
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20K00386
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
竹腰 佳誉子 富山大学, 学術研究部教育学系, 准教授 (70377232)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 建国の父 / ナチュラル・ヒストリー / 植物学 / 庭園 / トマス・ジェファソン / アメリカ建国 / 博物学 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は「アメリカ建国の父たちと自然、ナチュラル・ヒストリー、植物(学)、庭園とのかかわりについての考察」を研究目的とし、まずトマス・ジェファソンと彼の自然、ナチュラル・ヒストリー、植物(学)、庭園に関する思想やそれに関連する行動、またそれらとジェファソンの政治的な取り組みとの関係性に関して、The Papers of Thomas Jefferson をはじめとする関連する様々な著作物の丁寧な読み直しを行った。 様々な関連する著作物の読み直しの結果、ジェファソンが政治家そして科学者として、独立間もないアメリカのさらなる発展および未来を考える際に、植物に関する考察あるいは庭園巡りを通じて、様々な構想を練り、また庭園を核とした人的ネットワークを通じて自身の政治信念や国家構想を構築していく様子を明らかにすることができた。このことについては、「建国の父とナチュラル・ヒストリー―Thomas Jefferson とサトウカエデとの関わりを中心に―」と題する論文で発表している。 また他の建国の父たちと自然、ナチュラル・ヒストリー、植物(学)、庭園とのかかわりについてもすでに関連文献を丁寧に読み、まとめているところである。特に建国の父たちとアメリカ合衆国憲法制定のためのフィラデルフィアでの会議および庭園とのかかわりについて考察し、これらについては令和3年度に口頭発表または雑誌論文として発表することを予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和2年度は「アメリカ建国の父たちと自然、ナチュラル・ヒストリー、植物(学)、庭園とのかかわりについての考察」を研究目的として予定していたが、研究目的に関連する様々な資料を丁寧に分析および考察することで予定通り研究を進めることができた。その研究成果は、論文として発表されている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は「植物学者であり、プラントハンターであったバートラム親子の活動と著作、そして建国の父たちとの関係性についての考察」を行う。特にバートラム親子の庭園および庭園づくりの方針とアメリカ合衆国の基盤づくりとの関連性、そしてウィリアム・バートラムの著作である『旅行記』の再読を行う。『旅行記』について当時流行していた「科学」的視点(例えば、ヨーロッパで流行し始めていたパノラマ、ジオラマなど)からの読み直しを試みたいと考えている。 また研究成果については、積極的に学会において口頭発表をし、そこでの助言も活かしながら最終的には論文としてまとめ発表する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍だったため当初出席予定だった学会がオンライン開催となり、旅費を使用することがなかった。そのため次年度使用額が生じた。令和3年度は、バートラム親子に関する書籍や当時の植物学に関する書籍などの物品購入とバートラム親子に関連する資料収集を米国で予定している。
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