2021 Fiscal Year Research-status Report
Repetition and Diversity of "Modernization": Analysis of Discursive Deconstruction of "the East and the West" by Using Foucault's "Archaeology"
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20K00388
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊勢 芳夫 大阪大学, 言語文化研究科(言語文化専攻), 教授 (80223048)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 近代化 / 知の考古学 / 近代化言説 / 日本植民地文学 / 英国植民地文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ミシェル・フーコーの「知の考古学」の研究理論を援用しながら、この研究においては「言説形成=編成」概念の明確化を図ることによって独自の「知の考古学」的方法を確立することにより、英領インドにおける植民地政策とインド表象の構築、白人優位の世界システムへの植民地域の取り込みと、そのようなアジアの植民地化に直面した日本の近代化の促進と対抗言説の創出に関しての研究、及び、台湾を中心とする日本植民地での植民地政策の一環である「日本・日本語化」について研究を行うとともに、さらに、そのように逸早く独自の言説形成を開始した日本が敗戦を機にGHQの占領政策によってアメリカの言説編成にいかに取り込まれていったかについての調査・分析を行い、それらの研究を融合することで、イギリス、インド、そして日本の3方向の視点から、共時的及び通時的に、イギリスのインド以東の東アジア政策、日本の植民地政策、GHQの日本占領政策、そして日英の植民地政策の下でのアジア表象の形成・変遷、及び植民地統治下にある地域の土着性の変容について俯瞰的に比較研究を行っている。令和3年度の研究成果として、日・英語の近代化言説形成・編成の東アジアへの影響、及び、その影響下での第2次世界大戦終戦後のポストコロニアル状況下のインド、バングラデシュ、日本のナショナル・アイデンティティ形成及び変容の過程を明らかにした。 以上の研究成果と、本研究の研究協力者にそれぞれ占領期の日本、台湾、「満洲国」、そしてロシア(旧ソ連)を自らの専門に絡めて論じてもらい、それらを合わせて1冊の本として編集を完了し、伊勢芳夫編著『「近代」の反復と多様性――「東と西」の知の考古学的解体――』として出版社渓水社 から令和3年6月1日に出版した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は、研究対象地に行き調査し、海外や国内での資料収集すること、及び研究成果を日本語と英語により専門書として出版し、公表することを目的にする。しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大により、研究成果の整理、共同研究者とのメールによる研究成果の交換・検討はむしろ予定より早く進むことができ、日本語による専門書を令和3年6月に出版した。しかしながら、海外での調査や資料収集は全くできなかった。具体的には、第1に、イギリス、インド、日本の3方向の視点から複眼的に検証することによって、19世紀から20世紀にかけての大英帝国のインド以東の東アジア政策とそれらの地域の土着性への影響を明らかにするため、令和3年8月にイギリスの大英図書館等において資料収集を行いイギリスのアジア表象の形成・変遷を文化論的・「知の考古学」的方法を用いて研究すること、さらに旧英領インド住民の視点からの調査を行うため、バングラデュ・イスラム大学のラハマン教授との共同研究を継続するとともに、日本に招聘して研究会を令和4年3月に開催する予定であったが、コロナ禍のなかでそれらが実施できなかった。他方、日本の東アジア研究、及び、植民地政策をとおして、日本語の言説に日本の周辺地域がどのように位置づけられ、表象され、そして、日本を中心とする 「大東亜共栄圏」という西欧への対抗言説に組み込まれていったかの歴史的経緯、及び、日本の植民地統治下にあった台湾、朝鮮半島、および、旧満州の日本の植民地政策と旧植民地における近代化と土着性の特徴、及び、GHQによる日本の占領政策の本質、日本語資料を、令和4年3月に国会図書館(東京)において調査し、資料収集を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、研究対象地に行き調査し、日本及び海外で資料を収集すること、及び研究成果を日本語と英語により出版・公表することを目的にする。日本語による研究成果の公表に関しては、出版社渓水社から令和3年6月1日に出版た。令和4年度に関しては、英語による研究成果を取りまとめる作業を継続し、令和5年度中の公表を目指す。そのため、台湾、旧満州の研究者、及び社会学の立場から園田学園女子大学の山本起世子教授と情報交換を、メール等を利用して継続して行っていく。一方、海外や東京での調査や資料収集については、新型コロナウイルス感染状況を見ながら慎重に進めていく。具体的には、イギリス、インド、日本の3方向の視点から複眼的に検証することによって、19世紀から20世紀にかけての大英帝国のインド以東の東アジア政策とそれらの地域の土着性への影響を明らかにするため、イギリスの大英図書館等での資料収集を令和4年6月(予定)と10月(予定)に実施し、イギリスのアジア表象の形成・変遷を文化論的・「知の考古学」的方法を用いて研究すること、さらに旧英領インド住民の視点からの調査を行うため、バングラデシュ・イスラム大学のラハマン教授との共同研究を継続するとともに、日本に招聘して研究会を令和5年2月(予定)に開催する。 また、日本の東アジア研究、及び、植民地政策をとおして、日本語の言説に日本の周辺地域がどのように位置づけられ、表象され、そして、日本を中心とする 「大東亜共栄圏」という西欧への対抗言説に組み込まれていったかの歴史的経緯、及び、日本の植民地統治下にあった台湾、朝鮮半島、および、旧満州の日本の 植民地政策と旧植民地における近代化と土着性の特徴、及び、GHQによる日本の占領政策の本質、日本語資料を、国会図書館(東京)において令和4年8月(予定)に、静宜大学(台湾)において令和5年3月(予定)に調査し、資料収集する。
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Causes of Carryover |
令和3年度は令和2年度に引き続き世界的な新型コロナウイルス感染拡大により、研究成果の整理、共同研究者とのメールによる研究成果の交換・検討はむしろ予定より早く進んだが、東京での調査を令和4年3月に実施したものの、海外での調査・資料収集は全くできなかったため、令和4年度において令和2年度及び3年度に予定していた海外での調査や資料収集を、新型コロナウイルス感染状況を見ながら慎重に進めていく。 具体的には、イギリスの大英図書館等での資料収集を令和4年6月(予定)と10月(予定)に実施し、イギリスのアジア表象の形成・変遷を文化論的・「知の考古学」的方法を用いて研究すること、さらに旧英領インド住民の視点からの調査を行うため、バングラデシュ・イスラム大学のラハマン教授との共同研究を継続するとともに、日本に招聘して研究会を令和5年2月(予定)に開催する。また、日本の東アジア研究、及び、植民地政策についての歴史的経緯、及び、日本の植民地統治下にあった台湾、朝鮮半島、および、旧満州の日本の植民地政策と旧植民地における近代化と土着性の特徴、及び、GHQによる日本の占領政策の本質、日本語資料を、国会図書館(東京)において令和4年8月(予定)に、静宜大学(台湾)において令和5年3月(予定)に調査し、資料収集する。
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Research Products
(2 results)