2023 Fiscal Year Annual Research Report
Repetition and Diversity of "Modernization": Analysis of Discursive Deconstruction of "the East and the West" by Using Foucault's "Archaeology"
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20K00388
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊勢 芳夫 大阪大学, 大学院人文学研究科(言語文化学専攻), 名誉教授 (80223048)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 知の考古学 / 英国植民地文学 / 日本植民地文学 / 近代化言説 / GHQ日本占領政策 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はミシェル・フーコーの「知の考古学」の研究を援用しながら「言説形成=編成」概念を再定義化することにより独自の「知の考古学」的方法論を確立し、その方法を歴史資料やフィールドワークによって収集したデータの分析に活用し、考古学者が地層から過去の遺物を発掘してその時代の生活様式を復元するように、過去のある社会における価値観や思考傾向を復元するというこれまであまり試みられてこなかった研究を実施し、その研究成果を日・英語により出版・公表することである。 令和5年度は、コロナ禍のためできなかった研究対象地での資料収集を集中的に行った。具体的には、11月2日から5日までデリー大学や国立博物館等で研究調査・資料収集を実施し、その間、11月2日にデリー大学経済学研究科・教授と、それから、11月3日にデリー大学・Sri Venkateswaraカレッジ・教授と、ポストコロニアル期のインドの近代化と土着性に関する意見交換を研究協力者のラハマン教授と共に行った。また、国内においては、令和5年7月24日~28日、及び令和6年3月11日~13日まで国立国会図書館で調査・収集を実施した。 そして上記の研究調査を踏まえ、令和6年3月17日開催のキプリング協会第23回全国大会で研究成果発表を行い、出席した研究者と意見交換を行った。 補助事業期間全体を通しては、コロナ禍により当初の予定を変更し、日本語による研究成果の公表を先に実施し、その研究成果を研究代表者と5名の研究協力者で纏め『「近代」の反復と多様性――「東と西」の知の考古学的解体――』として令和3年6月に出版した。また、当該研究の「知の考古学」的方法論の理論的な構築過程の解説文を令和4年7月に『月刊 考古学ジャーナル 7』に掲載し、公表を行った。 英語による研究成果の公表については研究代表者の眼病悪化により期間中には実施ができず、今後の課題とした。
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