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2022 Fiscal Year Research-status Report

医療系学生のためのG. グリーン文学の応用研究

Research Project

Project/Area Number 20K00392
Research InstitutionIwate Medical University

Principal Investigator

柳谷 千枝子 (浅田千枝子)  岩手医科大学, 教養教育センター, 講師 (40714332)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2024-03-31
Keywordsグレアム・グリーン文学 / ナラティヴ・メディスン / 医療倫理教育 / スピリチュアル・ケア / トータル・ペイン
Outline of Annual Research Achievements

1) グレアム・グリーンの作品分析:令和4年度は前年度の課題に基づき、The Heart of the Matter (1948)やA Burnt-out Case (1961)に描かれているトータルペイン研究を継続するとともに、The Ministry of Fear (1943)の精査、分析を開始した。具体的には登場人物の抱える種々の苦痛とQOLとの関連性、個々人のウェルビーイング、身体的/精神的回復や治癒につながる癒しとは何かを検証するべく、彼らが発する言葉、視線、他者とのダイアローグの分析に着手した。
2) 国内調査
国立ハンセン病資料館にて情報収集した。ハンセン病についての誤った知識と理解により、多くの感染患者が差別や偏見に苦しみながら命を落とした現状や、回復後も社会復帰に困難を極め、また子どもを出産することも禁じられ、患者の多くが身体的苦痛よりも、社会的・心理的苦痛の中で絶望を感じていたことが分かった。患者が闘わなければならないのは、病気よりもむしろ、彼らを取り巻く偏見や差別といった人権を度外視した不条理な状況であったことを再認識した。患者のQOLの向上および名誉の回復に向けて私たちにできることは、病気の正しい知識の普及と理解の促進であることを考える機会となった。
3) 医療倫理教育の実践:過年度同様、医療系科目を中心に、患者や自身のトータルペイン/QOL/ウェルビーイングについて考える機会を設けた。「医療と物語」の科目ではビブリオバトルを開催し、多角的側面から苦痛を捉えることを目的として、症状と徴候の定義と区別、具体例等の情報も提供した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

令和3年度に引き続き、感染症予防措置としての海外渡航制限により、本研究の主軸である国際学会(イギリス・アメリカ)への参加およびフィールドワークを断念せざるを得なかったため。

Strategy for Future Research Activity

令和5年度は本研究課題遂行のために必要なフィールドワークおよび国際学会への参加を実現できる予定である。再度、海外渡航が困難になった場合には、オンラインによる国内関連学会や研究会へ参加することで情報収集および成果報告に努め、当初の研究計画の遅延を補う方向で進めていくことを検討している。

Causes of Carryover

令和3年度に引き続き、感染症予防措置としての海外渡航制限により、国際学会参加費や、フィールドワークにかかる当該旅費の支出が発生しなかったため。現時点では、最終年度の海外渡航費や研究成果出版費用の一部およびオンライン講義システム構築のための諸費用への充当を検討している。

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Published: 2023-12-25  

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