2020 Fiscal Year Research-status Report
Gender and Linguistic Features in Middle English Mystical Literature
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20K00405
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Research Institution | Hiroshima Shudo University |
Principal Investigator |
吉川 史子 広島修道大学, 商学部, 教授 (50351979)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 中英語 / 神秘主義 / 語用論 / 文体 / メタファー / ジェンダー |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、現代の談話において女性の言語使用の特徴と男性の言語使用の特徴を考察した研究を網羅的に調査し、中英語後期の宗教散文について同様の比較をおこなうためにどのような言語の運用例について調査すべきかを明らかにする予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大の中、大学の共通教育英語カリキュラムの運営を担当している英語グループの代表を務めなければならなかったため、英語の授業を非対面授業に切り替えて実施運営したり、感染拡大を予防するための措置について考えたりする作業を中心となって行わなければならず、本プロジェクトのための調査を行うことがほとんどできなかった。 7月に予定されていた Leeds International Medieval Congress で International Anchoritic Society が主催するセッションのひとつで研究発表を行うことを予定していた。しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大に従って、大会自体が行われるのかどうか、行われたとしてもどのような形で行われるのか定かでなくなり、参加を予定していたセッションはなくなることになった。その過程で、個人の研究発表としてオンライン学会で発表することは希望すれば可能であるとの打診を受けたが、慣れない非対面型授業の準備に忙殺されてそれも断念せざるを得なくなってしまった。 本プロジェクトの前に科研費で採択されていた研究課題を遂行する過程で 2019 Annual Conference of Mystical Theology Network で “Metaphor Users in Late Middle English Women’s Mystical Texts” の題目で行なった研究発表は、社会的に弱い立場にある女性の文体と、男性聖職者の文体との違いに着目するもので、本研究課題に深く関わる研究であるが、その発表内容を投稿するため論文に書き直す作業に着手したのが本研究課題に関する唯一のまとまった作業である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
「研究実績の概要」の欄にも書いたように、2020年度は共通教育外国語科目の教学を担当している英語グループの代表を務めたために、大学の共通教育の英語に関するカリキュラム運営の仕方を変更するために必要な作業を中心となって行うなど学内業務に多大な時間を費やすことになった。また、大学の授業の多くがオンデマンド配信となり、慣れないコンピュータを使った授業教材の作成と配信に多大な時間を費やすことになったので、思ったように研究時間を確保することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
先に述べたように、2020年度は Leeds International Medieval Congress で発表を予定していたセッションが閉じられることになり、慣れない非対面授業の準備、共通教育英語担当教員のグループ代表としての業務に忙殺される中、個人の研究発表としてオンラインで発表をすることも断念してしまった。今後はオンラインでの学会にも対応して、積極的に研究成果を発表していきたい。 研究のための調査に関しては、英国に直接写本を閲覧しに行くことは難しいと思われるので、現代の談話における女性の言語使用の特徴と男性の言語使用の特徴の違いに関する先行研究を網羅的に調査することを今年度は確実に進めたいと考えている。
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Causes of Carryover |
「研究実績の概要」、「現在までの進捗状況」の欄にも書いたように、新型コロナウイルス感染拡大のため、オンデマンド授業のための教材作成や、共通教育英語に関する学内業務に多大な時間を費やすことになり、2020年度は思ったようには研究を進められず、研究費を計画通りに使用することもできなかった。今年度は昨年度ほど学内業務に携わらなくて済む予定なので、遅れを少しでも取り戻して、研究計画を進めるつもりである。
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Remarks |
最新の研究業績は上記 web ページにはまだ反映されていない。
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