2021 Fiscal Year Research-status Report
英米児童文学におけるポストフェミニズム時代のヒロイン像
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20K00416
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
谷口 秀子 九州大学, 言語文化研究院, 教授 (70179092)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ポストフェミニズム / 第三波フェミニズム / 第二波フェミニズム / 強い女性像 / ジェンダー / 女性性 / 男性性 / フェミニズム童話 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究課題「英米児童文学におけるポストフェミニズム時代のヒロイン像」に関して、2021年度は、以下のことを行った。 (1) 1990年以降の英米のジェンダーにとらわれない女性像を提示する作品の収集を行った。 (2) 比較対照のため、ジェンダーにとらわれない女性像を描く1990年以前の英米の作品の収集を行った。同じく比較対象のため、1990年以降の作品を中心に、ジェンダーにとらわれない女性像を描く日本の作品の収集も行った。 (3) コロナウィルスの世界的な流行のため、予定していた海外の大学や図書館に出向いての資料の調査・収集はできなかったが、国内の大学や図書館などで入手可能な資料や関連情報については、ある程度収集することができた。(4)ポストフェミニズムおよび第三波フェミニズムに関する文献を収集することにより、本研究課題の遂行において必要不可欠なポストフェミニズムと第三波フェミニズムについての理解の深化と理論化を図った。 (5) 収集した作品を分析・分類し、ジェンダーにとらわれない女性像を提示する作品における女性像や作品の特徴についてデータベース化を進めた。 (6) 1990年以降のジェンダーにとらわれない女性像を提示する作品における女性像の分析のポイントとなる作品の抽出を行った。 (7) 研究目的に掲げた観点から、ポストフェミニズム時代のジェンダーにとらわれない女性像を提示する作品の全体像の把握と理論的考察に着手した。 (8) 本研究課題に関してこれまでに得られた研究成果の一部を、国際学会(The 25th Biennial Congress of The International Research Society for Children's Literature)における口頭発表(査読あり)で発表した。(9)本研究の成果の一部を市民向けの講演において社会に還元した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度の研究実施計画に記載した (1) 1990年以降の英米のジェンダーにとらわれない女性像を提示する作品の収集、(2) 比較対照のため、ジェンダーにとらわれない女性像を描く1990年以前の英米の作品、ジェンダーにとらわれない女性像を描く日本の作品、および因習的な女性像を扱った英米の作品の収集、(3) 国内外の大学などの研究機関や図書館などでの関連情報および資料の調査・収集、(4) 収集した作品の分析・分類と、ジェンダーにとらわれない女性像を提示する作品のデータベース化、(5) 1990年以降のジェンダーにとらわれない女性像を提示する作品における女性像の分析のポイントとなる作品の抽出、(6) ポストフェミニズム時代のジェンダーにとらわれない女性像の全体像の把握と理論的考察の着手、(7) 中間成果の学会などでの口頭発表、に関しては、おおむね計画通りに進んでいる。ただし、(3) に関しては、2021年度も、コロナウィルスの世界的な感染拡大のため、英米の大学や図書館などでの、ジェンダーにとらわれない女性像を描く最新の作品および国内では入手不可能な作品や関連文献・資料の調査・収集が、実現しなかった。また、同じ理由により、外国に注文した重要な洋書の到着が遅れたり、注文が取り消されたりすることが多発したため、作品や文献・資料の収集のペースは本年度も当初の計画をやや下回った。2021年度における本研究の成果発表と社会への還元としては、国際学会(The 25th Biennial Congress of The International Research Society for Children's Literature)における口頭発表(査読あり)1件と市民向けの講演1件がある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、2020年度と2021年度の研究成果にもとづき、英米児童文学におけるポストフェミニズム時代のヒロイン像の分析をさらに進めていきたいと考える。今後の主な研究計画は以下の通りである。 (1)引き続き本研究課題に関連した作品、文献、資料の収集を行う。 (2)国内外の大学、図書館その他で、関連情報および資料の調査・収集を行う。国内で入手不可能な作品の収集に力を入れる。 (3)引き続き、収集した作品を分析・分類し、データベース化と作品の抽出を行う。 (4)これまでに得られた成果の一部を学会などで発表する。 (5)研究全体のとりまとめと理論化に着手し、ポイントとなる作品について論文を執筆する。 (6)本研究で得られた知見に立脚して、本研究が明らかにしようとしている課題についての論考の執筆を準備する。 2021年度、2022年度においては、コロナウィルスの世界的な蔓延のため、作品や関連資料の収集や分析のペースに多少の影響が出たが、今年度も作品や資料について収集と分析をさらに進め、本研究課題に関する論考をさらに深めていく予定である。
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Causes of Carryover |
(理由) 2020年度に引き続き、コロナウィルスの世界的な感染拡大の影響により、国内では入手不可能な作品や関連文献・資料を英米の大学や図書館で調査・収集する計画が実現できなかったこと、成果発表のための学会発表をする機会が減少したこと、海外の研究者との意見交換と研究動向の調査と資料収集の目的も兼ねて現地での発表を予定していた国際学会がオンライン開催となったこと、海外の書店に発注した洋書のうち2021年度中に入荷しなかった作品や関連文献が多数あったことなどにより、本年度に使用する予定だった助成金の一部を次年度に繰り越すこととなった。 (使用計画) 次年度に繰り越す助成金は、研究課題に関してこれまで行ってきた研究を深化させ、学会での口頭発表や論文などにおいて研究成果の発表を行うために使用する予定である。主な使途は、以下の通りである。(1)研究課題に関連した作品や関連文献等の購入。(2)国内外の図書館、研究機関、学会などでの資料の調査・収集および研究動向の調査。(3)研究成果の発表(論文あるいは学会発表)に要する費用。
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Remarks |
本研究課題の成果の一部を、市民向け講演会において社会に還元した。 「ヒロインは気立てが良くて控えめで? ~おとぎ話と絵本で学ぶジェンダー~」, 久留米市男女平等推進センター図書講座(主催:久留米市男女平等推進センター), 2021年10月.
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Research Products
(1 results)