2022 Fiscal Year Research-status Report
英米児童文学におけるポストフェミニズム時代のヒロイン像
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20K00416
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
谷口 秀子 九州大学, 言語文化研究院, 特任研究者 (70179092)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 英米児童文学 / 強い女性像 / ジェンダー / ポストフェミニズム / 第3派フェミニズム / 第4派フェミニズム / ジェンダー越境 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究課題 「英米児童文学におけるポストフェミニズム時代のヒロイン像」の研究に関して、2022年度は、2020年度と2021年度の研究成果にもとづき、以下のことを行った。 (1) 引き続き、本研究課題に関連した作品、文献、資料の収集を行った。 (2) 国内の大学および図書館などにおいて、入手可能な作品や関連情報および資料などの調査・収集を行った。 (3) 引き続き、収集した作品を分析・分類し、データベース化と重要な作品の抽出を行った。 (4) 研究全体のとりまとめと理論化に着手し、本研究で得られた知見をもとにして、本研究が明らかにしようとしている課題についての論考の構想についての検討を開始した。 (5) 本研究課題の研究によって得られた研究成果の一部を科学研究費研究課題「現代英米児童文学におけるジェンダーを超える女性像を提示する作品における男性表象」の研究成果の一部に加えた内容を口頭発表した。(「Moana における男性表象と「男性性」」)。 また、2023年にアメリカで開催される国際学会(IRSCL)における口頭発表が決定した (査読あり)。(6)本研究の研究成果の一部に研究課題「現代英米児童文学におけるジェンダーを超える女性像を提示する作品における男性表象」 の研究成果の一部を加えて、論文として発表した。 ("The Empowerment of the Heroine and the Silence of the Mother in Spirited Away and Other Miyazaki Films") (7)本研究の研究成果の一部を、 自治体主催の一般市民向けの講演や市民向け広報誌における書評などにおいて発表し、研究成果を社会に還元した。 以上の研究活動により、本研究課題の研究を進展させることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度の研究実施計画に記載した、(1) 本研究課題に関連した作品、文献、資料の収集、(3) 収集した作品の分析・分類、データベース化とポイントとなる作品の抽出、(4) これまでに得られた研究成果の学会などでの発表、(5) 研究全体のとりまとめと理論化の着手、研究成果にもとづく論文の執筆、(6) 本研究が明らかにしようとしている課題についての論考の執筆の準備、に関しては、おおむね計画通りに進んでいる。 しかしながら、(2) 国内外の大学、図書館その他での、関連情報および資料の調査・収集、国内で入手不可能な作品の収集への注力、については、2021年度に続き2022年度も、コロナウィルスの世界的な流行により、当初予定していた英米の大学や図書館での資料調査ができなかったこと、および、洋書の入荷の遅れや入手困難な状況が続いたことなどにより、作品や関連資料の収集や分析のペースに多少の影響が生じた。 2023年度も、作品や資料の収集と分析を進め、本研究課題に関する研究をさらに深化させていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題に関してこれまでに得られた研究成果について、さらに検討を加え、学会での口頭発表あるいは論文などの形で発表する機会を得るために、研究課題の実施期間を1年延長することとした。 今後の主な研究計画は、以下の通りである。 (1) 引き続き本研究課題に関連した作品、文献、資料の収集を行う。 (2) 国内外の大学、図書館その他で、関連情報および資料の調査・収集を行う。特に、国内で入手不可能な作品の収集に力を入れる。 (3) 引き続き、収集した作品を分析・分類し、データベース化と作品の抽出を行い、結果を総括する。(4) これまでに得られた成果の一部を学会などで発表する。 (5) 研究全体のとりまとめと理論化を進め、ポイントとなる作品について論文を執筆する。 (6)本研究で得られた知見に立脚して、本研究が明らかにしようとしている課題についての論考の執筆の準備を行う。
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Causes of Carryover |
【理由】2020年度、2021年度に続き、コロナウィルスの世界的な感染拡大の影響により、国内では入手が困難な作品や関連文献・資料を、英米の大学や図書館で調査・収集する計画が実現できなかったこと、成果発表のための学会発表をする機会が減少したこと、発注した洋書のうち2022年度中に入荷しなかったり、注文が取り消された作品や関連文献が多数あったことなどにより、本年度に使用する予定だった助成金の一部を次年度に繰り越すこととなった。 【使用計画】次年度に繰り越す助成金は、研究課題に関してこれまで行ってきた研究を深化させ、学会での口頭発表や論文などにおいて研究成果の発表を行うために使用する予定である。主な使途は、以下の通りである。(1)研究課題に関連した作品や関連文献等の購入。(2)国内外の図書館、研究機関、学会などでの資料の調査・収集および研究動向の調査。(3)研究成果の発表(論文あるいは学会発表)に要する費用。
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Remarks |
(書評) 「フレンテみえの絵本『みっち と きりー』」,『ムービング』(北九州市立男女共同参画センター ムーブ), 第98号, p.11, 2022年. (一般市民向け講演) 1.「おとぎ話と絵本で学ぶジェンダー」,「筑後市男女共同参画推進事業講座」, 2023年. 2.「おとぎ話と絵本で学ぶジェンダー」,「男女共同参画ぷちフェスタ講演会」(筑紫野市男女共同推進センター), 2022年.
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Research Products
(3 results)