2021 Fiscal Year Research-status Report
Transatlantic Print Culture and the 18th-century Great Awakening
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20K00423
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
増井 志津代 上智大学, 文学部, 教授 (80181642)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アメリカのキリスト教 / 第一次大覚醒運動 / エドワーズ / 伝道 / 環大西洋 / 人種 |
Outline of Annual Research Achievements |
21年度も海外調査ができず国内での研究継続となった。Zoom等を利用して、国内外での研究交流を図ることができた。5月14日、国内の四大学アメリカ研究所共催で「シリーズ アメリカ合衆国史(全4巻)」の第一回合評会を上智大学アメリカ・カナダ研究所でZoom開催し、司会とコメンテーターを務めた。第1巻『植民地から建国へ、19世紀初頭まで』の著者、和田充弘名古屋大学教授が報告を行い、活発な議論がなされた。6月19日に開催された第16回日本ピューリタニズム学会研究大会(国際基督教大学、Zoom開催)で、シンポジウム「対話としての伝道(宣教)ーその歴史的な展開の諸相からー」の司会と総括の担当を務めた。大学研究者と現役の牧師による報告で異なる立場からの海外宣教に関する見解が紹介され、このテーマを深く掘り下げることができた。 22年1月20日、『医学とキリスト教ー日本におけるアメリカ・プロテスタントの医療宣教を語る』(法政大学出版)の著者、藤本大士氏(日本学術振興会PD)を迎え、合評会「著者と語るシリーズ」を企画、Zoom開催した。研究者、学生、一般からの参加があり、明治期医療宣教について研究交流の場を持った。海外の研究会としては、22年2月24日、Zoom開催された"Virtual Roundtable on David D. Hall's The Puritans: A Transatlantic History" (米国American Society of Church History主催)に参加した。海外渡航が困難な状況下ではあるが、Zoom開催の研究会に参加することで、国内外で研究交流を行った。ミネルヴァ書房や丸善のアメリカ研究関連出版企画に原稿(2本)を提出し、J. Edwards全集出版(新教出版)の翻訳を継続して進めている。本年度は三学会誌より書評依頼され原稿を提出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍により海外調査計画が遂行できず、研究はやや遅れている。しかしながら、国内に止まることで、論文や翻訳などの原稿執筆に取り組む時間を確保できた。また、Zoomを利用したイベントを2件開催することができた。多くの学会や研究会がZoom開催されるため、国内外での研究交流はインターネット上で可能となっている。しかしながら、海外アーカイヴが、研究のためにいくつかの資料を特別開示してはいても、現地調査ができないことで、研究の進捗状況に影響している。研究者間交流もインターネットや電子メールを通じて行っているものの、直接の打ち合わせができない状態にある。執筆については、ジョナサン・エドワーズ全集(新教出版)に所収する三作品("A Faithful Narrative," "Communion Controversy," "Some Thougths Concerning Revival")の翻訳をほぼ完了し推敲に取り組んでいるところで、2022年度中の出版を目指している。その他の依頼原稿は3件提出したものの、出版作業遅延により年度末までに出版できたのは書評一件のみとなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
海外渡航が可能となった場合は、できるだけ現地調査計画を進めたいと考える。しかし、それが叶わない場合は、入手できる資料やデータベースを利用して、できるだけ研究課題を進展させたい。また、複数件の企画に参加して原稿を提出したものの出版が滞っているので年度内の刊行を願っている。本研究課題を含めた研究成果論文を一冊の本にまとめた研究書の出版を目指したい。
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Causes of Carryover |
計画していた海外調査旅行がコロナ禍中の渡航制限により実施できず、次年度使用額が生じた。国内での移動もままならず、学会や研究会の開催がZoomによるため、出費が少なく残金が生じた。当科研費による研究会(合評会)を上智大学アメリカ・カナダ研究所の協力を得て開催した。Zoom開催のため出費は講師謝礼のみで交通費等の経費は発生せず、予定より少ない出費となっている。物品としてコンピューターの購入が、今年度の主要な支出となった。新年度は、条件が整った場合は海外や国内のリサーチや学会・研究会に赴きたい。現時点の計画としては6月4・5日に中央大学で開催されるアメリカ学会第56回年次大会部会「アメリカ宗教と対立・融和・変革」でコメンテーターを務める予定となっている。
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