2021 Fiscal Year Research-status Report
Afrometis: A Study on Africadia and the Diversity of Atlantic Canada
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20K00424
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Research Institution | Keiwa College |
Principal Investigator |
荒木 陽子 敬和学園大学, 人文学部, 准教授 (90511543)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ノヴァスコシア / アフロメティ / クラーク / アフリケーディア / タインズ |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は感染症蔓延にともなう移動制限ならびに、研究代表者が育児のため休業していたため、前年度の研究成果の発表を中心に可能な範囲でプロジェクトをすすめた。結果的に、学会発表3件、論文発表については2件をこなすことができた。 前期は主として8月『エコクリティシズム・レビュー』第14号に発表した岸野との共著論文の校正作業をすすめながら、ノバスコシアのアフリカ系住民と先住民の環境運動上の交差について知見を深めた。また、カナダの音楽、特に大衆音楽の歌詞に関する音楽社会学的研究傾向、方法論を把握するため、先行研究が比較的豊富なラッシュを例に研究し、研究成果を6月の日本カナダ文学会にて発表し、後期にまとめ『カナダ文学研究』29号に発表した。さらに9月には日本カナダ学会にて、カナダの性的マイノリティとアフリカ系・先住民を含む人種マイノリティの交差について共同発表したほか、令和4年1月には中京大学英米文化・文学会 秋季大会特別講演において、近年のカナダの大衆的ドラマへのアフリカ系・先住民を含むマイノリティ表象の包摂について発表した。 クラーク、およびタインズについての資料収集やインタビューについては、感染症対策に伴う図書館や博物館所蔵の利用制限や移動規制等で思うようにはいかなかった。しかし、タインズの著書ならびに、特に2人のアフリケーディアをめぐる論争については二次資料を中心に資料を入手することができた。また、クラーク本人へのインタビューはかなわなかったものの、論争当時のノバスコシアの文学状況に詳しく、自身の論文にもその事実を書き残しているアレクサンダー・マクラウドへのインタビューを通して、それの状況を理解する鍵となる可能性がある人物(シルビア・ハミルトン)にたどり着くことができた。ほかに、移動規制の合間にノバスコシアの黒人文化に関する資料を展示、販売する博物館を訪問することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
感染症の蔓延、および2020年夏に出産し、2021年度は4月より2月まで育児休業中であったため、移動や人との接触をともなう、インタビューや公共施設における資料収集が行いにくかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、5月末にアトランティック・カナダ・スタディーズ学会にて、大衆テレビドラマにおけるカナダのマイノリティ表象に関する発表を行うが、ここで本研究の研究成果の一部を発表する。さらに、状況的に可能であれば、夏期に昨年度は大々的に実施できなかった現地図書館、資料館等での資料収集を行うとともに、アフロメティ・プロジェクトに関して、クラーク本人、ならびにクラーク、タインズ両人と面識のあるアフリカ系映像作家のシルビア・ハミルトンにインタビューを行いたい。後期はこれまでに収集した資料の整理を行いつつ、遅れているブラック・インディアン研究の他、クラーク、タインズのテクスト精読・比較研究をさらに進め、次年度以降の学会発表に備える。 研究は若干遅れ気味であるが、可能であれば、本年度後期にはアフロメティ・ネーションに関する、映像テクストの分析をはじめたい。また、令和5年度の学会発表に備え、学会、大学等で開催予定のアフリケーディア文化講演(公演)に講師(クラーク又はアフロメティ関係者が候補)を招聘するための準備も始める予定である。
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Causes of Carryover |
これまでに、実施予定だったカナダ現地資料収集や、学会への対面参加が感染症対策のために、計画通りに実施できていないため。
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Research Products
(5 results)