2021 Fiscal Year Research-status Report
Sexuality Education in the British Romantic Era: Women, Rights, and Health
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20K00425
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Research Institution | Nagoya Keizai University |
Principal Investigator |
川津 雅江 名古屋経済大学, 法学部, 名誉教授 (30278387)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 性教育 / ジェンダー / セクシュアリティ / 身体 / 健康 / 英文学 / 女性作家 / 医学的言説 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、三つのサブテーマのうち、 (a) セクシュアリティ全般に関する知識源、(b)現代的な性教育の萌芽を中心に研究を進めた。 (1)(a)に関して、本研究を推進するのに必要な医学・教育関係の著書や論文を国内で購入もしくは相互貸借制度やオンラインを利用して収集し、それらの資料を分析・解読したものをデータベース化し、緻密な分析作業を進めた。なお、新型コロナウィルス感染がまだ終息しなかったため、予定していた海外での資料収集は再び来年度に繰り越すことにした。(b)に関しては、19世紀初期から中期のメディカル・アドバイスブックにおける身体/性教育の言説を調査・研究した。 (2)研究成果の一部は学会での口頭発表で公表した。日本英文学会第93回大会での招待発表では、メイソン夫人ことマウント・ケッシェル伯爵夫人マーガレット・ジェイン・ムーアのメディカル・アドバイスブック『祖母による若い母親たちへの助言』(1822)に焦点をあてて、妊婦や子どもたちの性、身体、健康に関する「祖母」の助言をウルストンクラフトの教育論の影響の観点から吟味するとともに、同時代の男性作家たちによる身体教育書との違いを明らかにした。また、日本ジョージ・エリオット協会第24回全国大会シンポジウム(日本オースティン協会共催)における発表では、オースティンの『エマ』(1815)とエリオットの『ミドルマーチ』(1871-72)にそれぞれ登場する家庭教師から主婦になった女性登場人物の描写を比較し、二人の小説家におけるウルストンクラフトの遺産の跡をたどった。その他関連する成果として、キャロル・ペイトマンの『社会契約と性契約』を書評し、性契約理論が#MeToo時代になっても時代遅れになっていないことを評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
海外での資料収集ができなかったため、サブテーマ(b)の研究を研究計画通り2021年度末までに完遂できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終年度である2022年度の研究推進方策は、以下の3点である。 (1)過去2年間海外での資料収集ができなかったので、研究が十分にできなかった。今年はぜひ渡英して収集する予定である。 (2)サブテーマ(b)については、2021年度で完遂する予定だったが、資料不足のため十分できなかったため、2022年度も引き続き行う。具体的には、ウルストンクラフトに対するルソーの教育論の影響を性教育の観点から再検討するとともに、彼女が翻訳したドイツのルソー的教育者ザルツマンの『道徳の基本』(1790)を性教育史の流れの中で考察する。サブテーマ(b)が完遂したあとで、当初の研究計画通り、サブテーマ(c)性教育の隠された展開について考察し、本研究の総括を目指す。具体的には、ロマン主義時代のウルストンクラフト以外の女性作家たちが社会的な性の規範の範囲内で性教育を模索し、展開したありさまを調査・考察し、同時代の多様な性教育の隠されたあり方を解明する。 (3)研究成果は、学会発表、学術誌への投稿論文、共著などの形で、随時公表するとともに、刊行物の出版準備をおこなう。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染拡大の結果、予定していた国内外の出張旅費を全部使用しなかったため、次年度使用額が生じた。 従って、次年度に使用する予定の研究費としては、前年度残金の824,806円と直接経費800,000を加えて、合計1,624,806円である。令和4年度は、研究費全体のうち、19世紀女性作家関連、身体教育・医学関連、ジェンダー・セクシュアリティ関連の書籍およびインクトナーなど消耗品の物品費として500,000円をあてる。国内外の学会発表や資料収集・調査のための旅費としては、1,000,000円をあてる。また、謝金(英文校閲費)として、50,000円、その他の支出(論文印刷費、複写費、相互貸借文献複写費および送料)として、74,806円を使用する予定である。
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