2020 Fiscal Year Research-status Report
総合芸術におけるジャポニスムの表象の変容と異分野間の影響関係に関する比較芸術研究
Project/Area Number |
20K00426
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
日高 真帆 京都女子大学, 文学部, 教授 (90407619)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ジャポニスム / 比較芸術 / ビアズリー / ワイルド / サロメ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、演劇・オペラ・映画等の総合芸術において、ジャポニスムがどのように表象され、その表象が異なる芸術様式・文化圏・時代を越える際にどのような変容を遂げてきたのか、また、日欧の芸術作品や、ジャポニスムを取り入れた異なる芸術分野の間にどのような相互影響関係が認められるのかを追究する学際的比較芸術研究である。そのため、分野、国境、時代を越えた学際的研究を行い、世紀末芸術及びそれ以降の日欧の文学と視覚芸術、そして舞台芸術を関連づける研究活動を行ってきた。 2020年度は、関連する日英文学作品や美術作品、それらの日本に於ける受容に関する資料を幅広く収集し、先行研究の調査も行った。本研究は国際的視野に立つ学際的比較研究であるため、図書館・資料館・美術館等で多面的に研究活動を行った。そして、本研究に関連して、京都女子大学附属図書館館長より依頼を受け、京都女子大学創基100周年記念特別企画展観「京女100年の至宝」に於ける展示作品の選定及び図録解説の執筆を行った。同展覧会は、京都女子学園建学記念館「錦華殿」地階展示室に於いて、2020年11月16日から12月4日迄開催された。具体的な担当内容としては、展示される作品及び図録に写真が掲載される作品を選定し、それらに関するコラム及び展示作品解説記事を執筆した(『京女100年の至宝展図録』PP12-14)。コラムの題目は「京女のなかのビアズリー」(P14)、解説記事の題目は「9 “Birth from the Calf of the Leg” ふくらはぎからの誕生」(P12)及び「10 Salome : A Tragedy in One Act サロメ-一幕の悲劇」(P13)であった。研究成果を生かして本学の貴重資料を解説と共に広く紹介することができ、非常に有意義であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症により海外出張が不可能となったため、海外での調査研究や学会活動を進められない状況にあった。その一方で、パンデミックであることから世界的にオンラインで提供される資料や講演等が増加したため、海外との関係において、オンラインで可能な研究活動は多角的に行った。国内でも研究出張が制限され、学会も中止やオンライン化が相次いだが、オンラインで参加可能なものには参加し、収集可能な資料についても調査を進めた。幸いにも京都女子大学創基100周年記念特別企画展観「京女100年の至宝」は中止を免れ、京都女子大学附属図書館では通常は長期の閲覧が難しい貴重資料を多数研究することができ、解説記事やコラムも出版された。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症によるパンデミックの収束が見えない状況にあって、海外出張再開時期も不明であるが、パンデミックであることから世界的にオンラインで提供される資料や学会等が増加したため、オンラインでの学会活動や情報収集、海外研究者との連携を積極的に展開することで研究を推進する。また、国内出張については可能になってきているため、感染防止対策を徹底した上で積極的に行い、国内で可能な研究活動を多角的に促進する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症によるパンデミックを受けて国内外の出張が不可能となったため、次年度使用額が生じた。今年度も海外出張再開の見通しは立たない状況であるが、国内出張については時期によって申請が通るようになったため、感染防止対策を徹底した上で積極的に実施していく予定である。
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Research Products
(1 results)