2020 Fiscal Year Research-status Report
Study in Modernism's Legacy for the Culture and History of Cold War American Poetry
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20K00452
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
飯野 友幸 上智大学, 文学部, 教授 (40168084)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | モダニズム |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年11月27日に上智大学アメリカ・カナダ研究所によるコロキアムを開催した。講師には名桜大学准教授のメーガン・クックルマン先生をお迎えして、ZOOMによる講演会をおこない、モダニズムのアメリカ詩人ガートルード・スタインとポストモダン思潮の関係について1時間講演していただいた。16人の参加者があり、講演後活発な質疑応答もおこなった。 スタインはモダニズムの詩人でありながら、他の詩人とは異なりポストモダンの思潮をも含むような作品を発表しており、その面でアメリカのポストモダン詩人を代表するジョン・アシュベリーとの関連も解明されるような内容だった。その意味で、当研究費受給者の研究課題を満たすような成果を得られて、きわめて有意義なコロキアムとなった。 2021年2月には、アメリカ詩人エリザベス・ビショップについての論文「パラタクシスと地理―Elizabeth Bishopの第2詩集における変転」を執筆し(単著)、上智大学英文学科紀要『英文学と英語学』57号に発表した。 ビショップは元々モダニズムとポストモダニズムの中間に位置する詩人でありながら、従来はモダニズムの影響を強く受けていると言われてきた。それに対して、本論文では第二詩集から"The Bight"を選んで細かく分析することにより、そのパラタクティックなスタイルのなかに、モダニズムからは離れて、ポストモダン的傾向を明瞭に示しえている、という結論を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
講演会を開催し、論文を執筆し、研究課題を着実に達成し得た。 一方、イギリスかアメリカから研究者を招くとともに、渡米して現地調査を行う予定だったが、コロナ禍のためにそれは不可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
モダニズムの詩人から今年度も一人を選び、国内外の研究者を招いてポストモダン思潮との関連について論じる講演会を開く。 また、課題として挙げた詩人のひとりであるジョン・アシュベリーについて論文を執筆する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により、アメリカおよびイギリスの研究者を招聘することができなかったため。また、渡米して現地調査ができなかったため。 今年度はコロナ禍が収まった時点で研究者招聘と現地調査に充てる。
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