2020 Fiscal Year Research-status Report
Ethical Empathy: Contemporary American Poetry's Response to Social Division
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20K00461
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Research Institution | Kobe College |
Principal Investigator |
古村 敏明 神戸女学院大学, 文学部, 准教授 (90632571)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アメリカ現代詩 / 倫理的共感 / 共感の理論化 / 悲嘆と共感 / 越境的共感性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、(1)著書原稿及び派生課題の論文の執筆、(2)学会においての研究発表、及び(3)そのフィードバックを通しての構想チェックをした。海外渡航制限によりアーカイブ調査ができなかったため、計画調書どおりの進展ではなくなったものの、全体としては著書原稿及び派生課題の論文の執筆はほぼ目標どおりに進行中である。派生課題においては、Theodore Roethke の作品を題材に、関係性が深くない人間に対する倫理的共感と哀悼について、論文を執筆中である。学会発表については、2020年11月に予定されていた Pacific Ancient and Modern Language Association の年大会は中止となったが、オンライン開催となった、2021年3月の Northeast Modern Language Association の年大会において、外集団に対する倫理的共感というテーマにそって、動物を「外集団」とする観点から、"Learning with Cats: What Cats Do and Don't Teach Us about Dying and Grieving" という Animal Studies に連なる主題で研究発表をした。社会の倫理性や人道性は、ある意味その社会において最も vulnerable な構成員がどのように扱われているかによって測れる部分がある。当該発表は、Barbara J. King の How Animals Grieve で描かれる cross-species empathy を外集団に対する倫理的共感の一つのモデルと捉える研究である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスに端を発した様々な変化により、所属大学による海外渡航禁止やオンライン授業移行による研究外の業務負担増など、課題の進捗に一定の影響が及ぶこととなった。計画調書で予定されていたアーカイブ調査は実行できなかったことを受け、執筆内容・箇所を、アーカイブ調査を必要としない部分に切り替えるなどで流動的に対応し、結果、成果の量としては概ね予定どおりではあるが、計画調書作成当時の構想から一定の逸脱はある。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度も引き続き、(1)著書原稿及び派生課題の論文の執筆、(2)アーカイブ調査、(3)資料精査、(4)学会においての研究発表、及び、(5)そのフィードバックを通しての構想チェック、という作業が予定されている。情勢に大きな変化がなければ、予定されている University of Washington への客員研究員出向も再開される見込みである。
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Causes of Carryover |
資料調査のための海外出張などが新型コロナウイルスの影響により実行できなくなったため、それらの活動に予定されていた助成金が使用されなかった。2021年度使用計画としては、主に(1)出張旅費、(2)書籍購入、(3)その他物品購入が予定される。
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Research Products
(1 results)