2024 Fiscal Year Research-status Report
スペイン内戦後文学の再生にむけてー亡命作家と国内作家の交流の場としての文芸誌
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20K00477
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| Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
丸田 千花子 慶應義塾大学, 経済学部(日吉), 准教授 (00548414)
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| Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2026-03-31
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| Keywords | スペイン文学 / 亡命作家 / 文芸誌 / フランコ政権 / 20世スペイン / 定期刊行物 / 検閲制度 |
| Outline of Annual Research Achievements |
2024年度は、国外出張先のコロンビア大学図書館とニューヨーク市図書館にてフランコ政権末期の1970年代前半の文芸誌『Insula』と関連する資料の収集を行った。そして1960年代後半から1975年までの『Insula』に掲載された亡命作家や知識人の作品とその批評、インタビューを考察した。特に新しい検閲制度が施行された1966年に着目して、この年以降の『Insula』における亡命作家や知識人の扱いの変化を検証した。 これまでの研究で1950年代後半以降、亡命作家の作品や作品批評、インタビューの掲載が少しずつ増えてきたことが判明しているが、1966年の新検閲制度後はさらにその数が増えている。また亡命作家や知識人が死亡した折には追悼記事が書かれ、そこでは間接的な表現で彼らがスペイン内戦後に亡命したことを示している。1940年代や1950年代の記事では、亡命作家を紹介する折は単に「国外在住」としていたのに比べると、1960年代には踏み込んだ表現に変わっている。これが政治社会的変化の影響を受けた結果であるかは今後さらに分析する。また1960年代は亡命作家の一部が一時帰国を果たした時期である。その中で『Insula』は彼らの現状を写真付きインタビューで紹介していた。一方、対照的に他の新聞や雑誌では一時帰国の件に関する報道はほとんどなかった。以上を踏まえると『Insula』は1946年の創刊以来、亡命作家との強いつながりを維持し、フランコ政権下(1939~1975)では一貫して亡命作家を積極的に紹介し続けた特異な文芸誌であると2024年度の研究で改めて確認することができた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2024年夏季休暇の国外出張で収集した資料の精緻な分析を加え、これまでの研究の成果をまとめる予定だったが、年度後半に家族介護の事案が発生し、年度中に研究成果をまとめる時間が十分に取れなかった。また本研究課題に関連する研究成果を2024年度前半に完成予定だったが、進捗が遅れ、本研究遂行に影響がでた。そこで研究期間延長願を出し、2025年度を最終年度とした。
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| Strategy for Future Research Activity |
2025年度は、文芸誌『Papeles de Son Armadans』(1956~1979)の検証と『Insula』との比較を行う。この文芸誌には『Insula』ほど数は多くないものの亡命作家の作品が掲載されているためである。また1975年に検閲制度が廃止された後の民主化移行期(1975~1982)の『Insula』の構成内容や亡命作家の扱いの変化も分析する。これらとあわせて亡命後、自作品がスペインで再び紹介されたことに対する亡命作家の受け止めについて自伝や書簡などから読み解き、これまでの研究成果とあわせて論文としてまとめる。
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| Causes of Carryover |
研究期間を延長したことにより、次年度の研究遂行のための資料購入の必要が生じたため、この残額を充てる。
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