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2022 Fiscal Year Research-status Report

An interdisciplinary and theoretical study on translation, footnote, and creativity

Research Project

Project/Area Number 20K00527
Research InstitutionUniversity of Kochi

Principal Investigator

高西 成介  高知県立大学, 文化学部, 教授 (50316147)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 山口 善成  金沢大学, 歴史言語文化学系, 教授 (60364139)
田中 裕也  高知県立大学, 文化学部, 准教授 (30769138)
Project Period (FY) 2020-04-01 – 2024-03-31
Keywords注釈 / 翻訳 / 中国文言小説 / 三島由紀夫 / エマ・ウィラード
Outline of Annual Research Achievements

今年度も前年度に引き続き、翻訳と注釈をめぐる問題について、各人が行う個別研究が中心となった。本来ならばその個別研究を、共同での討議にもっていく予定であったが、研究代表者の都合で、2回開催を予定していた研究会が、オンラインによる1回の研究会実施にとどまってしまうなど、当初の予定通りとはいかなかった。そのため研究期間を1年延長し、改めて研究成果の統合をはかることとした。なお、個別研究は、以下の通りである。
高西は、昨年度に引き続き『聊斎志異』の各国語翻訳に着目し研究を進めた。中でも、「画皮」をめぐって、その描写の身体感覚やエロティシズムに着目し、翻訳や各国語に付された注釈なども参照しつつ、作品の新たな読みの可能性を考察した。また、その成果は、学会等で発表した。その他、『太平広記』宝部に関して、翻訳と注釈を作成し発表した。
山口は、エマ・ウィラード『アメリカ合衆国史』(1828)における歴史の視覚化と記憶術との関係、および脚注における「言い伝え」の使用の意義について考察し、Bloomsbury History: Theory and Methodにて発表した。その一部は本科研費の研究会でも報告した。その他、ヘンリー・アダムズのタヒチ史や19世紀アメリカのユートピアニズムに関する研究発表を行った。
田中は、三島由紀夫文学館において、『金閣寺』の原稿について4日間調査・研究をおこなった。日程が限られているため3分の1程度の原稿を確認し、研究に必要な部分の翻刻をおこなった。その結果、フロイトの翻訳書からの影響やが見られることが分かってきた。知識の解説を一種の注釈として捉え、そこから創作との関係性について考えることが必要であることを確認した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

研究代表者が、新たな役職につき慣れぬ校務に追われるなどしたため、研究を当初の予定通り進めることが難しくなり、また、当初予定していた研究会も1度しか開催することができなかった。さらに、文学館等における調査も、コロナの影響のため、当初の予定通りすすめることはできなかった。そのため、最終年度の目的であった領域横断的分析まで、今年度は取りかかることができず、当初の予定よりも進捗は遅れることとなった。

Strategy for Future Research Activity

今年度は、最終年度ということもあり、昨年度までの個別研究を中心に研究を行うとともに、日・中・英米文学における「注釈」「翻訳」の横断的研究をさらに深化することにしている。個別研究においては、高西は『聊斎志異』の翻訳と注釈の研究を進め、『聊斎志異』の受容を明らかにするとともに、「身体」と「エロティシズム」の問題についても考えて行く予定である。また、『聊斎志異』の翻訳、注釈に関しては、分担者の山口とも共同で研究を進める。さらに田中は、『仮面の告白』と『禁色』の分析を通して、〈性〉と〈美〉に関する知識との関係性の一端を明らかにする。『漱石文学全注釈』や各作家の「注解」などで何が「注釈」対象として選択されているのかについて考察する予定である。
さらに、今年度秋には、本科研メンバーに外部のゲストスピーカーを招いたシンポジウムを実施し、それぞれの研究成果の横断的、発展的な統合をはかる予定にしている。
また、各人の研究成果は、引き続き学会等で報告するとともに、論文として学会誌への投稿、書籍への寄稿を行う予定である。

Causes of Carryover

予定していた研究会及び調査を実施することができなかったことによる。今年度は、シンポジウム開催を含めて、研究会及び調査を実施する予定にしている。

  • Research Products

    (11 results)

All 2023 2022

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 1 results) Presentation (8 results) (of which Invited: 1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 『太平広記』訳注(稿)――巻四百一 「宝」部金下(上)――2023

    • Author(s)
      高西成介
    • Journal Title

      高知県立大学紀要文化学部編

      Volume: 72 Pages: 19-30

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] Emma Willard’s Geographic History2023

    • Author(s)
      Yoshinari Yamaguchi
    • Journal Title

      Bloomsbury History: Theory and Method

      Volume: - Pages: -

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 『聊斎志異』に見える身体とエロス2023

    • Author(s)
      高西成介
    • Organizer
      科研費研究会「「翻訳」「注釈」の創作性とフィクション生成をめぐる学際的・理論的研究」
  • [Presentation] 共感の倫理--19世紀アメリカのユートピアニズムと権威主義2023

    • Author(s)
      山口善成
    • Organizer
      第39回日本アメリカ文学会中部支部大会
  • [Presentation] Emma Willard, _History of the United States, or Republic of America_ (1828)における/についての注釈2023

    • Author(s)
      山口善成
    • Organizer
      科研費研究会「「翻訳」「注釈」の創作性とフィクション生成をめぐる学際的・理論的研究」
  • [Presentation] 『聊斎志異』「画皮」小考2022

    • Author(s)
      高西成介
    • Organizer
      第247回宋代史談話会
  • [Presentation] 『聊斎志異』「画皮」小考2022

    • Author(s)
      高西成介
    • Organizer
      第67回中国四国地区中国学会
  • [Presentation] 郷愁と友情--ヘンリー・アダムズ『アリイ・タイマイの回顧録』試論2022

    • Author(s)
      山口善成
    • Organizer
      筑波アメリカ文学会秋季例会
  • [Presentation] 19世紀アメリカの友情論における個人主義と共感2022

    • Author(s)
      山口善成
    • Organizer
      第58回片平会夏期研究会プログラム
    • Invited
  • [Presentation] タヒチのアメリカ人--ヘンリー・アダムズ『アリイ・タイマイの回顧録』における少数民族への同一化と郷愁2022

    • Author(s)
      山口善成
    • Organizer
      中・四国アメリカ文学会第50回大会
  • [Book] 『三島由紀夫研究』第23巻2023

    • Author(s)
      佐藤秀明編
    • Total Pages
      146
    • Publisher
      鼎書房
    • ISBN
      978-4-907282-88-2

URL: 

Published: 2023-12-25  

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