2020 Fiscal Year Research-status Report
A Study of Posthuman Representation and the Japanese Influences
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20K00528
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
生駒 夏美 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (60365525)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ポストヒューマン / フランケンシュタイン / 科学 / 解剖学 / メアリー・シェリー / アンジェラ・カーター / 日本 |
Outline of Annual Research Achievements |
コロナ禍での研究を強いられた一年となり、当初予定していた海外での資料収集や学会参加ができなくなった。不測の事態への対応のため、ワークショップなどの開催も見送ることとなったのが残念であった。そこでもっぱらすでに手元にある資料や、入手可能な書籍での研究作業を行なった。 そんな中でも可能な限りの研究成果を上げた。 2020年8月に刊行されたブックチャプター1本(英語)、学会口頭発表2回(2020年10月、2021年3月)(英語)、ゲスト講師1回(2021年2月)(英語)、2021年刊行予定、印刷中のブックチャプター1本(英語)、2021年刊行予定、執筆中のブックチャプター1本(日本語)、2021年刊行予定、脱稿済みの書籍1冊(日本語)、2022年刊行予定でアブストラクトが受け入れられたブックチャプターが2本(英語)、2022年刊行予定で脱稿済みの学術誌論文1本(英語) 2021年3月の口頭発表ではポストヒューマンの文学のルーツをメアリー・シェリーの『フランケンシュタイン』に求め、当時の社会状況、特に人体解剖学の発展との関連や、人種への考え方の発展との結びつきを読み解いた。2021年中に刊行予定の書籍でも『フランケンシュタイン』をトピックとして、当時の解剖学を含めた科学研究の実情や、北極航路開拓との繋がりを説いて、人類の「崇高な目的」を追い求めた19世紀イギリス社会への作者の批判的な眼差しを拾い上げた。 2020年10月の口頭発表及び他の論文ではアンジェラ・カーターの思想の発展を分析し、日本滞在によって作者が得たポストヒューマン的な考え方を拾い上げた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
海外での資料収集や国際ワークショップの開催などは見送らざるを得なかったものの、執筆活動に注力し、口頭発表や論文など合わせて7点の業績を形にすることができ、3本が執筆中であるため、概ね研究進捗状況は順調と考える。 2020年度に刊行・実施済:ブックチャプター1本(英語)、学会口頭発表2回(2020年10月、2021年3月)(英語)、ゲスト講師1回(2021年2月)(英語)。2021年度中に刊行予定、脱稿済み:ブックチャプター1本(英語)、ブックチャプター1本(日本語)、書籍1冊(日本語)。2022年度刊行予定、執筆中:ブックチャプター2本(英語)。2022年刊行予定、脱稿済み:学術誌論文1本(英語)。 海外研究者とのネットワークづくりの一環としては、スイスのローザンヌ大学での学会で口頭発表を行なった点、またイギリスのスウォンジー大学でのゲスト講演を行なった。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度中には3本の学術論文の執筆を予定しており、引き続き精力的に資料分析を行う予定である。また今年度中にはポストヒューマン文学をテーマとして、関連分野の研究者を講師としたワークショップを企画している。 引き続きコロナ禍であるため、海外での資料研究出張が行えるかどうかは見通しが立たないが、可能となり次第、海外出張を行いたい。 オンラインでの海外研究者とのやりとりは引き続き継続しており、共同研究も進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のために海外で予定していた学会参加と資料収集ができなかった。2021年度はまだ先行きが不透明であるが、当面は海外出張が可能になることを見込んで、そのために使用する予定である。
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