2023 Fiscal Year Annual Research Report
Comparative Study on the Post-Holocaust Literature across the Borders of Languages
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20K00531
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
西 成彦 立命館大学, 先端総合学術研究科, 教授 (40172621)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ホロコースト / サバイバー / 初期習得言語 / 執筆言語 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年12月に上梓した『死者は生者のなかに/ホロコーストの考古学』(みすず書房)には、2023年1月から9月にかけて数々の書評が掲載され(日経新聞、週刊読書人、図書新聞、神奈川大学評論、越境広場など)、また日本比較文学会関西支部では9月例会で書評会を企画していただいた。またそれらをふまえて2024年2月18日には、立命館大学国際言語文化研究所から予算上の支援を頂きながら「ホロコースト研究をユダヤ研究に囲い込まないために」なる企画を実施し、野村真理さんの『ウィーン ユダヤ人が消えた街/オーストリアのホロコースト』(岩波書店)と組み合わせた合同書評会を実施。同企画の成果は、2024年度の『立命館言語文化研究』に「特集」の形で文字化する予定である。 研究期間を一年延ばせたことで、発信成果に他する反響を受け止めつつ、日本の「ホロコースト研究」の発展、さらにはウクライナ情勢やガザ情勢を語るさいに、「ホロコースト研究者」には何が期待されているのかを討議できる場を設けられたのは幸いだった。 また、『死者は生者のなかに』では取り上げられなかった数々の作品群に対しても検討を加え、しかるべき方法で、それをもまた発信していけるよう、態勢を整えている。 2022年3月から2023年5月まで『現代詩手帖』(思潮社)に隔月で連載した「世界がゲットー化する時代に」(全8回)は、そのための助走になりえたと思う。私の研究は小説に偏りがちで、詩に分析を加えることを避ける傾向があるからである。
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Research Products
(2 results)