2020 Fiscal Year Research-status Report
World Literature and Japanese Literature
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20K00532
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
中川 成美 立命館大学, 文学部, 教授 (70198034)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 世界文学 / 日本文学 / 情動理論 / ジェンダー / 戦争と災禍 / クィア理論 / 危機の文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は日本文学を「世界文学」理論から読み替え、日本文学研究の新たな理論構築の可能性を探索しようとすることを目的とするものである。当初計画として、日本文学を中枢に据えた「世界文学」の概念的構築をはかるために、海外日本文学研究者との相互情報交換を各地での研究会などを通して、双方向的に「日本文学」という概念の抽出を試み、そこから「世界文学」という概念を考察、分析しようとするものであった。しかし、2020年1月から拡大していったコロナ禍、およびそれに伴う海外渡航禁止、各海外研究者の新しいステージでの職務の増大などによって、当初計画は大幅に改変、変更をせざる得なくなり、殆ど進捗しなかった。 ただ、療養中に書籍・関係資料の収拾を図り、また新しいオンラインシステムによる研究会開催のための機器と、データ処理のための機材を購入した。現在のところ安全なシステムと、データ収集の具体的な方針について、若手研究者と協議中である。なお、2021年度も、まだコロナによる影響が大きいと推察し、当初計画にある対面型の研究会、ワークショップなどは一切あきらめ、それに代わるオンラインによる海外研究者との会議をはかりたいと考えている。世界的な規模での今回のこの経験は、おそらく本研究の骨子である、世界大規模での文学的概念構築と深く関与しており、そのなかでどのように日本文学が機能していくかについての考察・分析をより深く実行していくことができると期待している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度は、当初計画していた海外、国内での研究会などを含めて、すべて実施ができなかった。当初計画から遅れている。若干の書籍の補充と、オンラインシステムによる研究会実施のための機器整備、およびデータ処理のための機器を購入して今後の計画に向けて新しい方法を模索している。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度はインターネットなどを活用した研究会の開催と、新たな方向として資料の充実をはかり、世界文学に関するデータを作成する。具体的には1930年前後の日本における世界文学概念を調査して、それをデータ化し、この基礎資料を基にオンラインなどによる研究会を実施していく。また、世界文学概念をめぐる資料収集を、より広範に行いたい。
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Causes of Carryover |
コロナ禍による海外、国内渡航制限によって、当初計画の主たる部分を実施できなかったため、次年度使用が生じた。。次年度はそれらを考慮して、オンラインなどによる研究会に切り替え、主に「世界文学」概念をめぐる日本の資料を探索して、1930年代日本における世界文学概念についてのデータ作成をしていきたい。
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Research Products
(1 results)