2022 Fiscal Year Research-status Report
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20K00553
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Research Institution | Reitaku University |
Principal Investigator |
笹原 健 麗澤大学, 外国語学部, 講師 (10438921)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ソルブ語 / 言語接触 / 均質化 / 言語らしさ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究期間最終年度である2022年度は,前年度と同様,新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて,大幅な計画変更を余儀なくされた。当初予定していたドイツでの現地調査は2022年8月に実施したソルブ研究所(バウツェン)での文献調査のみとなった。諸事情によりソルブ語使用地域での音声言語資料収集は断念せざるを得なかった。このため予定を変更し,ソルブ研究所所蔵文献の精読に多くの時間を充てた。 かかる理由により,研究期間を1年間延長することにし,2023年度を最終年度とし,成果を発表できるよう準備を進めた。 当初2022年度に予定していた「ソルブ語らしさ」の形態統語論的な実地調査を2023年度におこなうべく,準備をしている。申請時に予定していた語用論的な分析ついては,社会情勢や国際情勢に応じて柔軟に対応していく。状況によっては,中止することも検討する。 少なくとも当初目論んでいた,ソルブ語で用いられるドイツ語語彙がどのような場合に出現するかを明らかにすることが達成できるよう努力する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度以降,新型コロナウイルス拡大の影響により,ドイツでの現地調査を実施することがきわめて難しい状態であった。このため,本研究課題のための音声資料を収集することがまったくできず,独ミュンヘンならびにバウツェンでの文献調査を実施したが,期待したほどの成果は得られなかった。先行研究を精読することで,理論的考察を進めることはできたが,実際のソルブ語資料が手元にないために大きな進展を見ることはできなかった。次の年度への最低限の橋渡ししかできていないため,上記区分であると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間を延長した最終年度となる2023年度は,ドイツの社会情勢が好転し実地調査を進められる機運が高まっている。しかしながら,国際情勢が不透明であることもあり,研究計画に掲げた事項をできる範囲で進めていく。研究期間全体として,最終的にはソルブ語とドイツ語の対照研究に重点を置く予定であるが,少なくとも「ソルブ語らしさ」を見極める程度には研究を進めていく。
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Causes of Carryover |
当該年度中に,予定していたドイツでの現地調査の実施回数が減ったため旅費ならびに付随する支出を要する機会も減った。生じた次年度使用額は2023年度の現地調査ならびに学会発表として,また情報機器の更新費として執行することを予定する。
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