2021 Fiscal Year Research-status Report
Descriptive studies about discourse markers and linguistic variants in modern French spoken language
Project/Area Number |
20K00566
|
Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
秋廣 尚恵 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (60724862)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 裕司 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (20204703)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 現代話しことばコーパス / ミクロ通時論 / 通時論 / 談話標識 / 地域的変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表の秋廣は、現代フランス語話しことばコーパスに基づき、ミクロ通時論的観点から、Du coup, apresについて研究を進めた。Du coup については、2021年6月に出版されたフランス語学研究55号に論考を発表した。さらに、フランスで刊行された Annie Bertin and Soutet (eds) Synchronie et diachrnonie, l'enjeu du sens の中で単著論文が発表される予定である。また、apres については、2022年6月にフランスで刊行予定の言語学の雑誌 Langages 226 に、海外の研究協力者であるオルレアン大学のMarie Skrovec 准教授、Layal Keenan-Cayolle 准教授と共に執筆した論文が掲載される予定である。 研究分担者の川口は、アングロ・ノルマン方言の書簡にみられる原因・理由を表す表現に関する通時論的な観点からの論考を進め、東京大学博士課程所属の中川亮氏と共に、フランスで出版された、De la diachronie a la synchronie et vice versa Melanges offerts a Annie Bertin par ses etudiants et ses amis en remerciement pour son apport aux etudes diachroniques という単行本の中で、論文を発表した。さらに、東京外国語大学博士後期課程所属の大河原香穂氏、清宮貴雅氏と共に、フランス語における談話標識 bon と ben について、 地域・用法・個人の差異に着目した研究を進め「基盤研究B2012年度第2回研究会」で口頭発表を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2021年度については、既に蓄積したデータの分析をすることで研究を進めたので、論文や口頭発表を行うことが出来たが、新型コロナ禍の影響のため、当初、計画されていた現地でのフィールドワークが全く実現できなかったほか、国際的な往来がストップしてしまった関係で、国際学会への出席、及び、フランスからの研究者の招聘が不可能となり、計上していた旅費については執行が不可能であった。さらに、研究代表者の秋廣が11月17日から病気のため休職となった関係で後半期の活動が不可能であった。
|
Strategy for Future Research Activity |
渡航が可能であれば、現地でのフィールドワークを行い、データの拡充を図る。さらに、データを整備し、これまでの蓄積されたデータも利用して、通時的、地域的、文体的な変異体についてコーパスに基づいた研究を進める。 研究代表者の秋廣は、「緩和」や「対比」の機能を持つ談話標識の研究を進める。それぞれの機能に関わる談話標識のリストアップとそれぞれの分布をコーパスのデータに基づいて調べる他、いくつかの談話標識(a la limite, du moins など)について、ピックアップし、ミクロ通時論的な観点だけではなく、文体論的観点、社会言語学的観点からも考察し、口頭発表を行い、論文にまとめる。 研究分担者の川口は、外国語習得の視点から、フランス語母語話者と学習者におけるtu voisの対照分析を進める。さらに、フランス語の書き言葉コーパスに基づきtu voisの通時的考察を行う。また、2021年度に口頭発表を行った談話標識bon, benに関する論考の論文の執筆を行う。 引き続き、文献調査を行いつつ、話しこばデータの拡充については、渡航が可能になり次第、フランスでの現地調査を行い、録音作業を進める。録音データについては、書き起こし作業をフランス人院生に依頼する予定である。また、これまで書き起こしたデータについて、いくつかのアノテーションの見直しと転写の校正を行い、データを整備する予定である。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大のため、国際的な往来がストップとなったため、現地でのフィールド調査、及び国際学会への参加、また海外からの研究者の招聘が不可能となり、計上していた旅費が全く使用できない状態が2年間続いている。 今年度、海外渡航が可能であれば渡航する。また、入手可能な文献を購入し、文献調査に力を入れ、大学院生に謝金を出し、現在蓄積されているデータの整備をさらに行う。
|
Research Products
(4 results)