2022 Fiscal Year Research-status Report
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20K00597
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
池田 晋 佛教大学, 文学部, 准教授 (40568680)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 構文 / 主題 / 繰り返し表現 / 重動句 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度はまず前年度まで進めていた“Ni走ni的陽関道,我走我的独木橋”のような構文(PVP的N構文)について更なる調査・分析をおこなった。これらの構文は「他の人/事に構わず」という意味を表すことが従来から指摘されていたが、なぜそのような意味が生じるかという理由について、明確な解答を示した研究はなかった。そこで本年度の研究では、当該構文の構成要素の特徴や内部構造の特徴を詳しく検討することにより、この原因を解明しようと試みた。分析の結果、以下の点が明らかとなった。即ち、(1)当該構文の“P的N”には形式と意味のミスマッチが起こっており、Pは意味的にはVNを連体修飾している;(2)“P+VN”は文脈上既出か予測可能な情報でなければならない;(3)Vは【+意志】の動作行為と解釈できるものに限られる;(4)これらの帰結として「Pにとって既定路線のVNをPが自らの意思で実行に移す」という全体の意味が導かれる。ここから「割り当てに忠実に」という派生的意味が生じ、それが文脈に応じて「他の人/事に構わず」と解釈されるのである。以上の成果は、学術論文の形式にまとめ、2022年10月に雑誌『現代中国語研究』に発表した。 次に、2020年度の基礎調査から棚上げになっていた「重動句」(“他説英文説得非常好。〔彼は英語を話すのが非常に上手だ〕”のような文)に関する再調査に取り掛かった。「重動句」研究に関する主要な文献の収集は年度内に概ね完了することができたので、引き続いて先行研究の整理をおこないながら、当該研究の現状と課題について検討を進めている段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本課題開始からの2年間は、新型コロナウイルスの対応や本務校の異動などの影響で研究に充てる時間を十分に確保できなかったこと、また当初取り組む予定であった重動句が想定以上に複雑で急遽研究計画を見直したことにより、遅れが生じていた。考察対象を重動句に“PVP的N”構文に切り替えた3年目は、比較的順調に研究や成果発表が進められており、当初の後れを取り戻しつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
2023度は、重動句研究の現状と課題について十分な整理を終えたうえで、重動句の分類の在り方、更には重動句というカテゴリーの多様性について分析を深めていきたいと考えている。そこで得られた成果は、国内学会もしくは国際学会で研究発表を行ったのち、年度内に学術論文の形にまとめたい。その他、重動句研究と並行して、重動句と関連のある“A就A在X”構造についての調査も進めていきたい。当該構造については、過去に1本学術論文を発表しているが、なお検討すべき問題が残されていたので、重動句研究の成果を参照しつつ、その点についても分析を深めていければと考えている。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響で2022年度も国内の学会が対面ではなくオンラインでの開催となったこと、国際学会は徐々に対面での開催に戻りつつあるものの、航空便の減便や価格の高騰により容易に渡航ができなかったこと、以上の2点により、当初予定していた旅費を執行できなかった。 また、データベース作成作業では、代表者の本務校に籍を置く大学院生に短期雇用を依頼していたが、当該学生の体調不良などが続き、十分な作業時間が確保できなかった。
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Research Products
(3 results)